今回はタイトルにある通り。
「失敗」に関して面白いことを知ったので、それをシェアしておこうと思います。
「失敗が怖くて動けなくる」「大事な場面で緊張してしまいミスが増える」
そういった人は多いと思います。
先に結論から伝えておくと、これらの「失敗」への対象法として有効だと知られているのが「創造性を高める」ことだということが分かっています。
クリエイティビティや創造性を上げる、もしくは創造性のほうに視点をずらすだけでも失敗が怖くて動けなくなる、といった現象を回避することが出来るんので、緊張するシーンなんかにはぜひ思い出してほしい事柄です。
根拠
ではまず先に。
「なぜ失敗が怖いという心理が、創造性を高めることによって回避できるのか」
この根拠から解説していくと。
これはドレクセル大学が発表した論文が元になっていて。
この論文では、ジャズピアニストである22人の被験者を集めて、ある研究が行われました。
その研究というのは、科学者側がベースとなるオリジナルのトラックを用意し、22人の被験者それぞれに即興でピアノを弾いてもらう、というものでした。
即興でピアノを弾いてもらったうえで、第3者に判定してもらい「誰が一番いいパフォーマンスを発揮していたのか」を判定してもらったわけですが、22人のピアニストを事前に2つのグループに分けていました。
- 過去に弾いた自分の中で、最大のクリエイティブさを発揮して演奏してとお願いされたグループ
- 過去弾いた中で一番ベストな演奏をしてとお願いされたグループ
この2つのグループに分けられて、即興でピアノを弾いてもらいました。
その結果を第3者に判定してもらい、どちらのグループのほうがいい演奏を即興で弾いていたのか?を判定したわけですが、結果として面白いことが判明しました。
「過去の中でベストな演奏を」とお願いされたグループよりも「過去の中で一番クリエイティビティな演奏を」とお願いされたグループのほうが、圧倒的にパフォーマンスが高く、第3者の評価が高いことが判定しました。
当然プロのジャズピアニストだったとしても、知らない曲を即興で、なおかつ第3者の判定込みの場所で弾くとなるとプレッシャーを感じるもの。
つまりこのドレクセル大学の研究から、「ベストなパフォーマンスを」としたグループよりも「よりクリエイティブさを」としたグループのほうが、緊張や失敗に対するメンタリティーが高まりいいパフォーマンスが発揮できる、ということが判明したわけでした。
なぜ創造性が恐怖を乗り越えさせるのか
では次に。
なぜ「ベストなパフォーマンスを」としたグループよりも「よりクリエイティブさを」としたグループのほうが、緊張や失敗に対するメンタリティーが高まりいいパフォーマンスが発揮できたのか。
その理由の部分を解説していくと。
ベストなパフォーマンスとしたグループは、より「結果」に執着するようになり、クリエイティビティは「プロセス」に目線が行くようになったため、とされています。
どういうことかというと。
「過去経験した中で一番ベストなパフォーマンスをしなければならない」としたグループが一番重きを置いたのは「失敗しない」ということでした。
失敗せず優雅に演奏することこそがベストなパフォーマンスであり、理想としたパフォーマンスを発揮する過去の自分を思い返した、と考えられます。
そうなると「損失回避のレベルが向上」していくことになります。
損失回避のレベルというのは「完璧な存在から遠ざからないためにミスを極端に恐れる」といったもので、なるべくミスをしないために演奏をするという傾向が見て取れました。
当然ですが「ミスをしてはいけない×10」と心の中で唱えていてはベストなパフォーマンスを発揮することはできません。
それは損失回避のレベルが向上したことで、余計なプレッシャーを感じ、体が縮こまってしまうためです。
その一方で、「クリエイティビティ」を重視したグループというのは、結果ではなく「プロセス」に注力することを意味していて。
「次の曲調ではもう少し抑えめに弾いて、次の章から盛り上げていこう」というように、演奏中には演奏するパートにのみ集中することにつながりました。
つまり「クリエイティビティを重視したグループ」の心の中には「ミスをしてはいけない」という損失回避のレベルの向上は見られなかかったため、のびのびと演奏することが出来、結果的に第3者からの評価が高かったことが考えられるわけです。
実はこの現象のことは別の研究でも証明されていて。
上記記事で詳しく解説していますが、コロンビア大学のハイディ教授なども同様のことを証明しています。
簡単に解説しておくと、上記の研究では「ペーパーテスト」が行われた被験者に対して「テスト結果が全て」と考えている「証明ゴール」のマインドを持っている人と、「テスト結果は問題点を知るきっかけ」と考えている「成長ゴール」のマインドを持っている人とでテスト結果を比較していく研究でした。
その結果わかったのは「成長ゴール」を持っている人のほうが「証明ゴール」を持っている人よりもテストの点数が高いことが判明しています。
つまり「結果」に執着しすぎるあまり、いいパフォーマンスが発揮できず、「プロセス」にフォーカスしている人のほうがいいパフォーマンスを発揮できる、ということをコロンビア大学の教授も証明しているわけです。
ということは、重要になるのは「結果」ではなく「プロセス」に重きを置くことによって失敗で怖くなったり、動けなくなる、という現象を抑えることが出来る、ということ。
そしてプロセスに重きを置くためには「クリエイティビティ」を働かせルことが重要だ、ということになるわけです。
まとめ
少し長くなったので、まとめておくと。
失敗を恐れなくしいいパフォーマンスを発揮する方法は「創造性を高める」こと。
その根拠としてドレクセル大学の研究が存在し、「ベストな演奏を」としたグループより「クリエイティビティな演奏を」としたグループのほうが、いいパフォーマンスを発揮できたことが根拠となる。
なぜ「クリエイティビティな演奏を」としたグループのほうが、失敗を恐れずいいパフォーマンスを発揮できたのかというと、結果ではなくプロセスに集中したことにより、損失回避レベルが無駄に上がらずに集中できたため。
そのため、失敗を恐れずにするためには「創造性を高める」ことがいいといえる。
具体的には「今までにないことをするには?」「誰もやったことがない方法は?」という風に考えることも一つの方法となるが、「クリエイティブを上げる方法」に関しては下記記事で詳しく解説しているので参考にすると良い。
まとめるとこんな感じですね。
ぜひ参考にどうぞ。