今回はタイトルにある通り。
「眠れなくなるほど面白い社会心理学」を見たので、まだ読んでいない人のためにざっくりと分かりやすく要約していきながら、その感想とレビューをしていこうと思います。
まず僕が読んだ感想というか、結論部分を伝えておくと。
こういった社会心理学を学ぶのって、2つの役割があると思っていて。
- ビジネスシーン
- ライフスタイルシーン
この2つに分けられると思います。
そしてこの2つのシーンごとに社会心理学をどう応用していくのか?っていうところが、学ぶ知識を「生かす人」と「無駄にする人」に分かれてしまう。
だからこそ、「どうやって2つのシーンにおいて生かすのか」っていうのを踏まえて読んでいくと面白いのかなって思いましたね。
社会心理学とか、心理学などを学んでいきたい初心者の人にとっては、実生活や実例を踏まえて書かれているので、眠れなくなるほどか?って疑問はありますが「読みやすい本のシリーズだな」とは思いました。
社会心理学を学ぶ理由
んで。
ここからざっくりとまだ読んでいない人のために内容を解説していこうと思いますが、おそらくこの「眠れなくなるほど面白い社会心理学」を気になっている人っているのは「ある状況の時人間の心理がどう変化していくのか?」
この部分だと思うんですね。
「腕を組んでいる人は、拒絶を表している」だとか。
「左を見てしゃべる人は、嘘をついている」だとか。
これらが嘘ほんとっていうのはどうでもよくって、「人の心理」を垣間見たいという人が、この「眠れなくなるほど面白社会心理学」を手に取っていると思います。
なぜオイルショックの時にトイレットペーパーを皆が買い占めたのか?だとか。
マスクを過剰に買ってしまう人の心理とは?
一人一人に充てる現象を心理学といい、社会全体を通して行動に共通することを研究するのが社会心理学。
また、人の心というのは「一人の時は複雑」だとされていますが、集団となったときは「単純」だとされています。
こうした違いを含めて、この本では解説されています。
代表的な社会心理学
なので前段を少し話したところで、実際の心理学の現象を紹介しておくと。
認知的不協和
「認知的不協和」というものが存在します。
これは多くの人が聞いたことあるかと思いますが、簡単に言えば「矛盾を嫌う性質」のことを指していて。
「矛盾した現象を無くすために自分にとって都合のいい解釈をする」ことを指しています。
例えば、ダイエットをしているのに夜食にお菓子を食べてしまう。
ダイエットとお菓子というのは、ある意味矛盾した現象です。
こうした認知的不協和に陥ったとき、「ため込むのはストレスだから、そのストレスを発散するためにお菓子を食べている」というように、矛盾を解消しようとします。
これがいわゆる認知的不協和。
一貫性の原理
それと合わせて知っておきたいのは、「一貫性の原理」
これは「一貫性を持たせたい」という心理から働き、先ほどのダイエットの例でいえば「痩せると決めたのだから、余計なものは食べない」という風に発言と行動とを一貫させることを指します。
認知的不協和と一貫性の原理を組み合わせると、普段の生活シーンがより分かるようになっていって。
ダイエットをしたいと決めるが、欲望や誘惑に負けてお菓子を食べる。
お菓子を食べると、ダイエットをするという一貫性の原理が失われる。
そのため認知的不協和になるので、「一貫性の原理」を貫くために「お菓子を食べる根拠」を集める。
こうした一連の流れが生まれるわけですね。
おとり効果
これも社会心理学で代表的なもので、身近なのは「下位モデル」「中位モデル」「上位モデル」とセットで用意されているとき、多くの人は「中位モデル」を選んでしまうことが分かっています。
あえて選ばれない「下位モデル」と「上位モデル」を用意することで、中位モデルを引き立たせるので、おとり効果とされているわけですね。
というのも僕ら人間は自然と「相対的に判断」する習性が身についています。
「かつ丼の松竹梅」とランクがあったときに、ほとんどの人は中くらいの「竹」を選んでしまうでしょう。
これは下のランクだと貧乏とかケチとか思われそうで、上のランクはちょっと高いから、中くらいのランクでいいだろうと相対的に判断するようになっています。
これがおとり効果と呼ばれるやつですね。
互恵的利他性
次に代表的なのは「互恵的利他性」と呼ばれるもので。
「返報性の法則」と聞いた方が、理解が早い人もいるかもしれません。
要するに互恵的利他性というのは「やられたらやり返したくなる。恩を受けたら恩を返したい」と思う人の心理のことです。
「ギブアンドテイク」という言葉もあるし、そういった本が出ていますが、これらは互恵的利他性を利用する本や言葉だということですね。
日常生活でいうのであれば、「試食」なんかはこの互恵的利他性を利用しているシーンだといえるでしょう。
試食を販売員さんからもらうことによって、「タダで食べさせてもらって悪いから、1つ買って帰ろう」
そう1度は思ったことがある主婦の方は多いと思います。
「タダより高いものはない」とはよく言ったもので、返報性の法則や互恵的利他性が、こういったやさしさの裏には隠れているわけですね。
社会心理学を応用する方法
とまあこんな形で、様々な社会心理学を実例交えて解説していて。
実生活で陥っている現象の根幹を知れるので、結構面白かったりもします。
ここからこの「眠れなくなるほど面白い社会心理学」を読んだレビューや感想を交えて話していこうと思うんですが、個人的に一番大切なのって「心理学って面白いなぁ~」って感想を持つ以上に、それを「どう生かすのか?」が一番重要だと思うんですね。
で。
先ほど冒頭でも伝えた通りで、こうした心理学を2つのシーンによって組み分けて応用することができると思っています。
認知的不協和や一貫性の原理なんかでいえば、ビジネスシーンでは往々にして「お客さんからのコミットを得ること」が重要だといわれます。
仮に「痩せたい」というコミットを得ることができれば、「痩せたいと思っているから行動をしなければいけない」という一貫性の原理が働くので、痩せるためのダイエット器具などが売れるケースが考えられます。
また、認知的不協和として「痩せたいのに行動しない」という買わない理由を挙げさせることで、その不協和を解消するために人は行動するでしょう。
返報性の法則や互恵的利他性は、無料やタダ、サンプルなどを活用したり、かなり安い金額でいいものを上げることで、それ以上の見返りを後に期待出来たりもする。
試食や無料請求など今のビジネスシーンでは往々にして使われています。
これをただ単に知っているのと「深い原理と一緒に知っている」のとでは、自分でビジネスを行うケースにおいて雲泥の差となって現れるわけですね。
だから、こうした知識をしたったうえで、企業がどういった仕掛けに取り組んでいるのかを凝視すると、その裏側や仕組み、仕掛けを見つけることができ、自分自身で応用することにつながるわけです。
こういった心理学系の本を見た時に、実際の身の回りの商売と照らし合わせて「これはおとり効果だな」など推測するのがいいんじゃないかなと思います。
あと次の「実生活」においてなんですが、これは「知っておくだけ」でも十分効果があって。
例えば、「母国語以外に話せる言語がある人はストレス耐性が強い」ということが研究によって分かっています。
上記記事で詳しく解説していますが、そのメンタルが強くなる理由として「自分の状態をより細かく表現できる言語があると、ストレス耐性が上がる」ということが分かっています。
ストレスというものを発散する方法を多く知っている人ほど、ストレスとの向き合い方がうまいということが分かっているのと似ていて。
「今自分がどんな状態にあるのか?」ということを客観的に表現できる「言葉の数」が日本語と英語というように数多くある人のほうがストレスに強い、ということが言えるんですね。
とすると。
「認知的不協和」や「おとり効果」「返報性の法則や互恵的利他性」など、心理学的な状態を知っておくことによって「今自分は一貫性の原理が働いているな」と自分自身を客観的に見るトリガーとなるため、メンタルコントロールで優位になれると推測できるわけです。
つまり「見るだけ、知るだけ」でも生活シーンにおいては有利になるということなんですね。
だから「ビジネスでも心理学を応用する」というように意識高く読まなくても、全然問題はなくって。
「人間ってこうやって考えるんだね~」とフランクに読むのも結構よかったりします。
推測ですが、そういうターゲットに向けて本を売るために「眠れなくなるほど面白い」と銘打ったんじゃないかな?と思える次第です。
とかく、そこまで難しくはなく、初心者の人でも読みやすい本なので、少しでも気になった人は手に取ってみるといいんじゃないかなと思います。
ぜひ参考にどうぞ。