今回はタイトルにある通り。
「習慣が10割」を見たので、まだ読んでいない人のためにざっくりと分かりやすく要約していきながら、感想レビューを書いていこうと思います。
まず初めに結論から伝えておくと。
「習慣が人生のほとんどを決める」
このことに関してはおおむね同意で、全く異論はなし。
ただこの「習慣が10割」という書籍に関して言えば、もう少しピックアップしてもいいテクニックや根拠というものがあったので、そこは少し残念に思いましたね。
「習慣というものを見直したい」、「新たな習慣を身に着けたい」
こういった習慣に関してさほど知識がない人にとっては、まあおすすめできる本なんじゃないかなって思いましたね。
習慣が10割の意味
まずこの本。
タイトルにある通りで、「良い習慣を身に着ける方法」について書かれている本。
その本題に向かう前に「人生=習慣」ということについて再確認しておくと。
僕ら人間というのは、「意識」「無意識」の2種類が存在するとされていて。
何か「新しい挑戦をしよう」だとか、「ダイエットを決意」などといったことは、「意識下」で行っているとされています。
ただほとんどのケースで、「朝鮮や決断」というのは、だんだんと意識が薄れ、次第になくなっていく。
これはほとんどのケースで、継続=「無意識」が司っているとされ、人間の行動の9割は「無意識」がかかわっているとされているためです。
泥酔状態で、家に帰ってこれるのも何度も何度も駅から自宅へ往復した経験から、意識せずとも家に帰ってこれる。
これは無意識が働いている状態があってこその話です。
そしてさらに重要なのは、習慣というものは「無意識」によって行われていく。
歯を磨くのも、お風呂に入るのも、すべて習慣であり、それら習慣を行うのは無意識にやっていく。
「ダイエットや挑戦」といったもののように「意識」さえすることなく、自然と淡々と行うことができるわけですね。
そして先ほど伝えた通り、人間というのは「無意識が9割」といわれていて、いわば習慣が人間や人生を形作る、とさえ言われているわけですね。
だから「正しい習慣」や「やりたいことを習慣化」するといったことが重要であり、そこに「努力」や「決断」といったコストがかかるものは必要ない、ということが習慣に対する強さとメリットなんですね。
習慣に関して誤った知識
そのうえで、多くの人が習慣に関して誤った知識を持ってしまって解釈している、とこの本では伝えられています。
まず1つ目が「正しいよりも楽しい」ことが優先される、ということ。
例えば、良い習慣を身に着けようとしたとき。
「規則正しい生活を心がけて、ダイエットを始めよう」
そうやって新しい習慣を身に着けようとします。
ただ「ラーメン食べたい」「カレーライスを大盛にしよう」
そうやって決めたはずの「正しい行為」というのは、「楽しい行為」にすり替えられ、築き上げようとした習慣が崩れていく。
そしてそこで幻滅して、習慣化することをあきらめてしまう。
ここに1つ目の罠があり、人間というのは正しい行為よりも、「楽しい行為」というものを優先する習性がある、ということを知らないんですね。
どう考えたって、高カロリーな食べ物よりも、野菜などの食物繊維や栄養価が高い食材を摂取したほうがいいことは分かってる。
そのうえダイエットをしているなら、低カロリーな食事をしたほうがいいに決まってる。
そんな「正しい行為」ということは百も承知だけれど、僕ら人間というのは「楽しい行為」を優先してしまうんですね。
だからダイエットをしようと心がけても、ラーメンやケーキ、アイスやカレーといった「おいしい=楽しい」ものを選択してしまうということ。
まずはこの「挫折ポイント」を先に知っておくことが重要で、誤った知識を修正していくことが重要になってきます。
そして2つ目の誤った知識というのは、「意志力に頼ろうとする」ということ。
結論から言えば、「意志力」に頼ってはいけません。
習慣かがうまい人というのは、意志力に頼ろうとはせず、「仕組み」を作ろうとします。
これはのちに詳しく説明しますが、意志力というものに常に頼っていると、毎回毎回大変なこと。
逆に歯磨きやお風呂といった毎日の習慣のことに「よし!今日はお風呂に入るぞ!!」と意気込む人はいないでしょう。
意志力を要するということは、それだけ疲弊し、いとも簡単に負けてしまうことを指すので、「意志力ではなく、仕組みづくり」にポイントを置くということが、大切で。
多くの人が「意志力」に頼ってしまう、ということが誤った知識として広まっていることを危惧しています。
習慣を作る4つのステップ
さて。
ここから今回紹介している「習慣が10割」のメインディッシュ。
どうやって習慣を作り上げていくのか。
この部分をまだ読んでいない人のために、ざっくりとではありますが要約していこうと思います。
結論から言うと、習慣を作るには4つのステップがあり、それは
- 反応する欲望を明確にする
- 初めは小さくし達成すること
- 場所と時間を決める
- 仲間を募る
この4つになっています。
細かな表現や言葉遣いは違いますが、ニュアンスは同じです。
1つ1つ見ていくと。
反応する欲望を明確にする
まずはじめに「反応する欲望を明確にする」ということ。
これはシンプルに「これから行うことは、どんなメリットがあるのか」
これを明確にすることからのスタートです。
物事を習慣として日常に落とし込むわけですから、多くの人が「享受できるメリット」を把握していることと思いますが、先ほども伝えた通り僕ら人間は「楽しさ」がなければ、継続することができません。
習慣として身についていない状態ならなおさらのこと。
ただ、「得られるメリット」を実際に手にしておらずとも、「報酬の予感」を感じるだけで、僕らにはドーパミンが放出されることが分かっています。
上記記事で紹介している「ブレインドリブン」で紹介されていることだったりもします。
ですから、報酬の予感を感じさせるように、「それが習慣として根付いたとき、どんなメリットが得られる?」ということを、改めて再確認すること。
これが1つ目のステップになります。
初めは小さくし達成すること
続いては、実際に習慣化させるため行動していくわけですが、絶対に行ってはいけないのは「大きくしすぎて取り掛かりづらくしてしまう」こと。
これはハーバード大学のショーンエイカー教授も同様のことを示唆していて。
ショーンエイカー教授は20秒ルールと名付けていますが、人というのは「20秒」でさえも取り掛かるのに時間がかかるものは「めんどくさい」と感じてしまうもの。
だからこそ、継続したい物事に関しては20秒短縮させ、やめたい習慣に関しては20秒かかるように設計するといいとされています。
これは習慣化のテクニックですが、僕ら人間は「反復」することで定着していきます。
勉強や学習でもそうですが、予習と復習とがあるように、反復することによって脳に定着していくため、「回数」をこなすことが重要になってくる。
そうなったときに、取り掛かり始めるハードルが高いと、心理的障壁が立ちはだかり「めんどくさい」という感情が湧き上がってしまう。
そうならないために、なるべく細かくしたり、「取り掛かるまでの時間を短縮」することによって、そのめんどくさいという感情を無くすことが重要だ、ということですね。
具体的には、勉強でいうなら「1問だけやる」というように、簡単なものから設定してもいいし。
取り掛かりやすいように、机に学習ノートと問題集を並べて置き、机に座ったらすぐに取り掛かり始められる、というような環境を作っておくことも考えられます。
場所と時間を決める
続いて、場所と時間をあらかじめ決めておくことが、習慣を司るうえで重要になってきます。
これは様々な研究で証明できますが、場所というもので、僕ら人間にスイッチが入ることが分かっています。
これは上記記事で紹介しているカリフォルニア大学のウェンディーウッド教授も提唱していることですが、いわゆる「トリガー」の役割も関係していて。
トリガーと呼ばれる「きっかけ」が場所というものに力があります。
例えば職場の机でダラケることってなかなかできないですし、どれだけけだるくても職場にさえ行ってしまえば、仕事モードに入る人がほとんどでしょう。
それは職場という場所が「仕事をする場所」という風に脳が認知しているからです。
それをうまく活用するために、「ここは○○を行う場所」という風に予め決める、これが重要になってくるわけですね。
この専用スペースという「場所」に関しての研究を紹介しておくと、勉強部屋とそうじゃない多目的部屋で勉強を行った際、20~40%ほど作業効率が高まった、という研究があったりします。
また、「いつやるか?」ということに関しては、「イフゼンルール」というものが存在していて。
これは後程詳しく解説しますが、習慣化を作るうえでかなり強力なテクニックであることが分かっています。
このイフゼンルールに関して、詳しくは上記記事で解説していますが、イフゼンとは「○○な時に○○をする」ということで。
これを時間に当てはめると、「9時になったらランニングに行く」とルール化することを指します。」
やはり僕ら人間は「どこでやるか?いつやるか?」ということに密接に関係しているため、時間と場所に関して決めて置き、それをルーティンワーク化させることが大切だ、ということですね。
仲間を募る
おおよそここまでで、習慣化するテクニックとして完結している感があって。
これまでの3つの方法でも十分効果があるものですが、「より効果を高める」という意味で、「仲間」という存在が大きいことをこの「習慣が10割」では描かれます。
この仲間の存在に関しても、様々な研究で証明できますが、「自制心を補う」という意味で、面白い研究を紹介しておくと。
上記の記事では「鏡を置くことによって自制心が鍛えられる」というもので。
鏡というのは「誰かに見られている」という感覚を産むため、「さぼったりだらけられない」ようになった、という研究が存在します。
また上記記事のマックスプランク研究所の研究では、子供を対象にして行われた実験で、一人の時より友人と一緒に「お菓子を我慢する」ということを行った結果、友人と一緒の時のほうが、自制心が働き誘惑に負けづらかった、という研究が存在します。
このことからも、何か誘惑や負けそうになった時など、一人の時よりも仲間と分かち合ったほうが、誘惑に乗り越えられることが明らかになっていて。
仮に友達と「一緒に勉強しよう」と決めていた場合。
一人だけさぼるわけにはいかないし、もし仮に友人が頑張っているのであれば、自分も一緒に頑張ろう、と思えるでしょう。
僕ら人間はそうやってコミュニティを形成し生きてきた動物なので、互いに高めあう存在というのは、かなり大きな存在なわけです。
もし仮に友達や一緒にやる知り合いがいなかったとしても、SNSで募集したり、SNSでの投稿で鼓舞してもらうのでもいいと思いますし、最悪「鏡を利用する」ということでもいいでしょう。
感想レビュー
とまあ、こんな感じで、ざっくりとではありますが、この「習慣が10割」というものを解説してきました。
結構内容的には面白かったと思えたんじゃないかなと思います。
あと「そこまで難しいことをやっているわけじゃない」ということにも気付いたと思います。
習慣って、多くの人が「経験積み」であって、さほど難しいテクニックや知識が必要なわけじゃないんですよね。
だから、多くがマネしやすいテクニックだったと思います。
ただこの本に関して言えば、先ほど紹介してきた
- 反応する欲望を明確にする
- 初めは小さくし達成すること
- 場所と時間を決める
- 仲間を募る
これらのテクニックそれぞれに、科学的エビデンスが紹介されているわけじゃないんですよね。
(0ではないですが、細かくあるか?っていわれるとないって答えざるを得ない)
これまでの科学的エビデンスは僕が補足的に引っ張り出してきて紹介したもの。
なんかそこが抜け落ちてて、少しもったいない気がしましたね。
「言っていることや主張は正しいんだけど、もっと信ぴょう性を持って伝えられた」
っていうのが、第一印象でした。
まあそこらへんは初心者というか、習慣に関してさほど知識がない人にとっては重要な部分じゃなくって、「まずは知る」ということが大切なので、初心者の人にはいいのかなと。
ただやっぱり個人的には、その主張の科学的根拠や肉付けに、本の楽しみってある気がするので、やっぱりそこはちょっとマイナスかなって。
あともう1つ、「習慣」というものをピックアップして語るには「どれぐらい続けたら習慣として定着するのか?」はやっぱり記載しておいた方がいい気はしますね。
あまり明確なのは記載されていなかったので、このブログで補足しておくと。
ロンドン大学の研究がかなり参考になるので、記載しておくと。
約60日間、2か月ほどが、習慣として定着するためにかかる時間ということが分かっています。
これは週4日ほど行ったケースなので、週4日間を2か月ほど行うと、意志力に頼ることなく、習慣として当たり前にこなすことができると考えておくと1つの目安になるのかな、って思いますね。
あと最後に追記しておくと。
こういった本を読んでいくと「結局どれが大切なんだろう?」って思って、多くのことが書かれているがゆえに「どれも覚えていない」ってケースが頻発します。
その際に覚えておいてほしいのは「イフゼンルール」で、「○○の時に○○をする」というテクニックが習慣化においてかなり有効なテクニックです。
全てを忘れてしまった―。
そんな人はぜひこのイフゼンルールだけは覚えておいてほしいなと思います。
僕自身もこれまで「瞑想」や「朝の運動」など、新しい習慣を身に着けてきましたが、ほとんどがイフゼンルールによって身に着けた習慣で、今でも毎日行っています。
それほど強力なテクニックなので、本書でいう「時間と場所」だけは覚えておくといいと思います。
ぜひ参考にどうぞ。