今回はタイトルにある通り。
「成功した姿をイメージする」っていうことに関して、本当に効果があるのか?はたまた、イメージに関してうまくいく条件ってなんなんのか?ってことを知ったので、それをシェアしておこうと思います。
結論から先に行ってしまうと「成功した結果の姿」をイメージするより、「成功までのプロセス」をイメージした方が、効果が高いことが判明しました。
根拠
実際に僕らが疑問に思うような「成功した姿をイメージする」っていうことが本当に効果あるのか?ってことをカリフォルニア大学も疑問に感じていて。
「イメージが心理学的にいい影響を与える前提条件とは一体何か?」ってことを研究してくれたのが「Effects of Process-Versus Outcome-Based Mental Simulations on Performance」という論文です。
(※参考文献)
これは1999年、カリフォルニア大学が行なった研究で、受験を控えた受験生を集め、2つのグループに分けます。
1つ目のグループが「成功した姿(受験に合格)をイメージしてもらったグループ」
2つ目のグループが「成功するまでの過程(受験勉強)をイメージしてもらったグループ」
この2つに分けて、どちらの方がイメージに対する効果が高いのか、を測定していきました。
その後受験生を追跡調査していき、合格までの結果とすり合わせて行ったわけですが、結果的にわかったのは「成功するまでの過程(受験勉強)をイメージしてもらったグループ」の方が、日々の勉強における集中力が高く、受験に対する不安感も少なかったことが判明しました。
その上で、受験合格率も「成功するまでの過程(受験勉強)をイメージしてもらったグループ」の方が高かったことが判明しました。
つまり、成功した姿をイメージするよりも、目標に向かって進んでいるプロセスをイメージした方が効果的だということが、この研究により明らかになったことでした。
理由と応用方法
よく自己啓発なんかに「成功した自分を色濃くイメージすること」なんて言ったりしますが、実際には「プロセス」をイメージした方が結果は良い。
ではなぜ、「プロセス」に着目した方が、イメージ効果は高かったのか。
これは心理学的に「プロセスビジュアライゼーション」と呼ばれる方法だとされています。
このプロセスビジュアライゼーションの方が、効果が高かった理由としてあげられるのは「目の前のこと」にフォーカスしていることが考えられて。
例えば、「成功した姿」をイメージすると、上記の研究で言えば「受験に合格した自分」を想像するわけですが、この受験が受かるか受からないかっていうのは、試験をやってみないことにはわかりません。
「合格した姿」をイメージすることとは、「必ず成功する」ということを自分に暗示するのと同等で、その分「まだ受かっていない」という葛藤が必然的に生まれる。
そうなると、「心理学では無理にポジティブになろうとしては絶対にいけない理由。」
この記事でも伝えている通り、「嘘をついている」と自分自身を騙すことにつながってしまうので、より不安感を煽る結果になるわけです。
これは自己啓発なんかにある「アファーメーション」にも同様のことが言えて。
自己啓発なんかによくあるアファーメーションはほとんど意味ない、というか逆効果さえあるやり方も満映していたりします。
「心理学で実証された本当に効果のあるアファーメーションとそのやり方とは。」
この記事で紹介されているやり方のように「真実」をきちんと見て、受け入れて進んでいく。これこそが大切なことなので、「成功した姿」というのは仮の姿だからこそ、不安感や目の前に集中できないという現象が起こり、その結果テストでもいいパフォーマンスが発揮できなかったことが原因だとされています。
その一方で、「プロセスビジュアライゼーション」というのは、結果ではなく過程にフォーカスを置いたイメージ法。
とすると、具体的に大きく変わってくるのは、「成功はするかどうかやってみなければわからないが、何をどうやるのかは自分で決められる」という点。
ここが大きな違いで。
変な自己啓発のように、「俺はできる俺はできる」と言っても「できるできない」は結果論です。
ただ「やるやらない」は自分次第であり、「どうやるか?」は自分が決められることにあります。
その過程をイメージすることで、具体的な勉強方法や勉強の進め方がより明確になり、そのことによって目の前の集中力が高ったことで、「試験に受かる確率が高かった」ということが言えるわけですね。
「上位2,5%の年収を誇る人を調査した結果!人のせいにする人ほど低収入だと判明!」
前回の記事でも書いた通り、人のせいと思うか、自分のせいと思うのかで、年収が大きく変わる研究があったりと、その部分はかなり似ている研究かと思います。
ですから、「抽象的でふわふわしたイメージ」をするよりも、「明確で具体的な家庭」をイメージした方が、やることも具体化するので「努力」でき、その結果合格できたということが言えるわけですね。
まとめ
つまりまとめておくと。
成功した姿をイメージするより、成功するまでの道のりをイメージした方が効果は高いってことが言えるわけです。
自己啓発なんかは「はるか高い自分」だとか、「未来の自分」だとか、そういった「見えないもの」に対して、「イメージを持て」だとかをいいます。
まあそれが効果がないってことはないんでしょうが、大切なのは「きちんと具体化しているもの」に目を向けるべきであって、目の前のことに集中することが一番大切なこと。
そのためにプロセスをイメージする方がいいってことですね。
「自己啓発本を読んでも人生は全く変わらないことが判明してたww」
この記事で書いてある通り、ほとんど変わらないことも証明されていますしね。
それであればきちんとしたエビデンスベースで、「なぜ?」に答えているものを見たり、努力した方が自分のためになると思いますね。
「自己啓発が大嫌いな僕が「人は何歳になっても変われる」を証明する。」
ぜひ参考にどうぞ。