今回はタイトルにある通り。
ポジティブ思考の闇に関して、面白いことを知ったので、それをシェアしておこうと思います。
結論から言うと、ポジティブ志向になろうとすればするほど、年収が低くなり、その上目標達成率を下げる、ということが明らかになりました。
もちろん、元からポジティブであれば問題はありませんし、無理にネガティブ思考に変える必要はないけれど、ネガティブな人がポジティブ思考に無理になろうとすれば、その弊害は大きいってことです。
さらにもう1つだけ付け加えておくと、ネガティブかポジティブかは、科学的な側面で見ると結構遺伝子レベルでの影響が大きいそうで。
日本人では特に「ネガティブ遺伝子」を持った人が9割を占める、という研究もあったりするそうで。
(論文を見たわけではないので、9割という数字の確証はないので、信じるか信じないかはあなた次第にとどめておいてください)
まあ、特に幕末なんかでは、海外から外国人が来て、その日本の技術力の高さに驚いたわけですが、その技術力の高さを日本人につ立てても「そうでもないよ」と謙遜していたことから、結構ネガティブ思考が多い民族なのかも、という見方もできますが。
根拠
ちょっと前置きが長くなりましたが、ここからはネガティブ思考がもたらす闇に関しての根拠を伝えていきます。
まずは年収に関してから。
これは2002年ニューヨーク大学が行なった論文が元になっていて。
(※参考文献)
この論文では卒業を控えた学生に83人に対して、ある質問をします。
その質問というのが「卒業してからのキャリアイメージはどんなものか?」ということを質問して、卒業後どんな進路を歩んでいるのかを学生たちに聞いていきました。
その上で、83人の回答を元に2つのグループに分けます。
それが
- ポジティブなキャリアイメージをしていたグループ
- ネガティブなキャリアイメージをしていたグループ
この2つ。
ポジティブなキャリアイメージというのは、その名の通りで、「年収は1000万円を超えて、世界経済を動かす会社でバリバリ働くんだ」というような、いわば理想が高いポジティブなイメージをしたのが1つ目のグループ。
一方で、ネガティブなキャリアとは、その正反対と思ってもらえれば大丈夫です。
この2つのグループに分けて、2年後再調査を行い「2つのグループ、それぞれの被験者が実際にどんなキャリアを歩んでいるのか?」ということを調査していきました。
その結果わかったのは、ネガティブなキャリアイメージをしていたグループの学生よりも、ポジティブなキャリアイメージをしていたグループの被験者の方が、求人数が少なく、年収も低いことがわかりました。
つまりポジティブ思考だった学生の方が、年収が低く、会社にとっての需要も少ないことが、この研究から明らかになったということでした。
理由については後述するとして、もう1つの目標達成率が下がる、ということの根拠を先に伝えておくと。
これも2011年ニューヨーク大学が行なった研究が元になっています。
(※参考文献)
この論文では、学生たちを2つのグループに分けていきます。
1つ目のグループが、最高の週末をイメージしてもらうグループ。
2つ目のグループが、平凡な週末をイメージしてもらうグループ。
この2つに分けた後、1週間後に、それぞれその週において「どれだけ課題に取り組めたか?」を確認していきます。
要するに、どれだけ自分が決めた目標を達成していたのか、をポジティブグループとネガティブグループに分けて、調査していったのがこの論文だということ。
その結果わかったのは、ネガティブなグループよりも、ポイジティブなグループの方が目標達成率が低く、達成できてない比率が高いことがわかりました。
つまり、元々ポジティブ思考ではない人が、無理にポジティブになろうとしても全く意味がなく、むしろ年収や目標達成率が下がってしまうということが、上記2つの研究からも明らかになった、ということなんですね。
理由
ではなぜ、無理にポジティブ思考になってはいけないのか。
まず直近で書いた「目標達成」に関してですが、これは最高の週末をイメージすることによって、「もうゴールした気分」になってしまったため、モチベーションが湧かなかったことが原因だとされています。
実際に僕自身も、この記事を書いている今この時が、全く同じケースなので、めちゃくちゃ痛感してます。
というのも、今日から僕は旅行に行く予定でした。
それは1ヶ月前から決まっていたことだったんですが、今週のはじめから「週末は旅行だ」ってなってしまっていたので、かなりモチベーションが湧きませんでした。
当然これは瞑想だったり、運動だったりを入れて、平凡な日常に戻して通常運転するように心がけてましたが、もし自制心が低かったりしたら「もういいや」って投げ出したくなるようなシーンが今週は特に多かったように思います。
こんな感じで、最高の週末をイメージしてしまうと、達成した気持ちになってしまい、目の前がおざなりになってしまうので、モチベーションが下がり、目標達成率が下がることが考えられるわけです。
またポジティブ思考の方が、求人率や年収が低かった理由ですが、これは「俺なら大丈夫だろう」というポジティブ思考特有の「傲慢さ」が、原因だとされています。
要するに「俺なら大丈夫」という考えは、準備を全くせずともいけると過信することを指します。
そうなると、計画を練ることもなくなり、失敗を想定してリスクヘッジをすることもしない。
さらには「失敗した時の理想と現実のギャップ」に苦しむことになり、挫折していってしまう。
「邪魔が入っても目標達成できる!ロンドン式1日のスケジュールの科学的な立て方!」
この記事でも紹介していますが、およそ20%の予期せぬ邪魔が入ってくるだけで、生産性はガクンと落ちることがわかっています。
「スマホを仕事中は絶対に見るな!約4秒見るだけで作業効率が劇落ちする!」
またこの記事でも伝えている通り、約4秒の邪魔が入るだけで生産性が半分にまで落ちることもわかっています。
これらのことから分かる通り、「予想外」の出来事に弱いのが人間。
失敗しようと思って行動することは一人もないことから、皆が皆「成功する」と思って行動しているわけです。
その上で「失敗したとき」を考えないポジティブ思考や楽観的な人は、予想外の出来事にあった時に、対処しきれず、失敗した時の理想と現実とのギャップに苦しみ、挫折していってしまうわけです。
ですから総じて年収が低く、目標達成率も低く、さらには自制心も折れやすい、ということが言えるわけですね。
まとめ
つまり最後にまとめておくと。
無理なポジティブ思考は、求人率を低くし年収を下げ、目標達成率も低い。
ということが言えるわけです。
そのため、もともとネガティブな人が無理にポジティブになる必要はなく、「ありのままの自分を受け入れる」というセルフコンパッションが大切になってくるということです。
「心理学では無理にポジティブになろうとしては絶対にいけない理由。」
この記事ではセルフコンパッションの高め方なんかも書いているので、最後に参考にしてみてください。