今回はタイトルにある通り。
「生産性」を高めることに関して、面白いことを知ったので、それをシェアしておこうと思います。
まず結論から言ってしまうと、生産性を上げるために重要になってくるのは「朝」の過ごし方で。
初めのスタートがどんな状態であるかによって、その日の生産性に大きく関わってきます。
その上で、
- ポジティブなことで埋める
- リアプレイザル
- 楽しみを作っておく
この3つが生産性を高めるために重要になってくるテクニックです。
ストレスを感じると生産性は落ちる
まずは、3つのテクニックの解説に移る前に、朝の行動が1日の生産性を決める、ということの根拠として面白い研究を紹介しておくと。
これはペンシルベニア州立大学が行った研究が元になっていて。
この論文では240人の男女を集め、あるアプリをダウンロードしてもらいます。
このアプリは「被験者の1日を追跡するアプリ」ってイメージしてもらうとわかりやすいんですが。
アプリ内において、1日5回ほど通知を送ります。
その通知の中に「今日はどんな1日になりそうですか?」と言った、朝に1日の始まりを書き込んでもらったり。
はたまた「今日の仕事の進み具合はどうですか?」といったように、昼に途中経過を報告してもらったり。
そう言ったことを1日5回程度行い、被験者の状態や生産性などをテストするアプリをダウンロードしてもらいました。
それと同時に、ペンシルベニア州立大学は「ワーキングメモリー」に関するテストを行っていく訳ですが。
このワーキングメモリーというのは、いわゆる「短期記憶」を司っている脳の箇所で。
そのほかにもメンタル面や決断力、注意力なども司っている重要な脳の部位だとされています。
要するに、簡単に言えば、1日の行動と脳の機能との相関関係を調べて行ったのが、今回の研究だということですね。
この調査を2週間続けて行った訳ですが、結果として分かったのは「朝にストレスを抱える」人ほど、1日のワーキングメモリーの活動は減っているということがわかりました。
つまり、ストレスにより脳がうまく働かずに、パフォーマンスや生産性が落ちていた、ということ。
ストレスを予測するだけでもパフォーマンスは低下する
そしてもっと面白いのは、「ストレスを予測」するだけでも、ワーキングメモリーの能力は低下した、ということ。
この「ストレスを予測」というのがどういうものかというと。
例えば、「今日は仕事が長引きそうだ」だとか。
「今日は嫌な上司と仕事だ」だとか。
そう言った予想を朝にしたとしても、予想よりも早く仕事が終わったり。
はたまた嫌な上司が出張で、合わなくてすんだりしたとして。
あくまで「予想」でしかなかったものが、ストレスの予測をしたことによって「ワーキングメモリーの能力が低下」することが判ったんですね。
このワーキングメモリーは先ほど伝えた通り。
- 決断力
- 注意力
- 集中力
- 自制心(セルフコントロール力)
こう言ったものに携わっているとされているので、これらが落ちることによって生産性が落ちていく訳です。
つまりストレスを抱えることとは、仕事の生産性を下げる。
さらに言えば、「ストレスを予測する」ことによっても、仕事の生産性を下げる、ということにつながってくることが、このペンシルベニア大学の研究により判明したことでした。
解決策1:ポジティブなことで埋める
ではどうやって改善していくのか。
ここが重要なポイントになってくると思いますが、その方法というのが、先ほど挙げた
- ポジティブなことで埋める
- リアプレイザル
- 楽しみを作っておく
この3つが解決策になってくる、という訳です。
具体的に見ていくと。
まず1つ目の「ポジティブなことで埋める」ということですが「ストレスを抱えない」ということがシンプルな改善策です。
ですから、なるべく1日の始まりには仕事のことを考えず。
好きなbgmを流して目を覚ましたり。
通勤途中にお笑い芸人の動画を見たり。
そうして朝になるべくストレスを考えないように、ポジティブなことを連想することが重要になってきます。
解決策2:リアプレイザル
ただそうは言っても、なかなかプレッシャーにある仕事やストレスを抱えるような思い込みをしてしまう人もいる。
ある意味1つ目の「ポジティブなもので埋める」というのは、軽度なストレスを抱える人の簡素的な対策であった訳です。
それに対して「リアプレイザル」というのは、逃げられないストレスを抱え、今日1日のストレスを予測せざるを得ない、という人向けの対応策と考えられます。
そのリアプレイザルというテクニックですが、いわば「変換する」という意味で。
具体的に効果などはこの記事で解説していますが、要するに「意味を変換してしまう」のがリアプレイザルという心理学のテクニックです。
例えば、緊張して心臓がバクバクしている時に、普通は「心臓がたかなって緊張しているな」と考える訳ですが。
裏を返せば、僕ら人間は心臓を働かせ血液を循環させることで「戦闘モード」として機能させている訳です。
つまり「緊張している=体が戦闘モードに持っていこうとしている」という意味が裏にはある訳です。
このように意味を変換させるということがリアプレイザルというテクニック。
これをストレスに当てはめると。
「今日嫌なプレゼンの仕事だなぁ〜」って考えた時。
ストレスを感じているということは、「準備をしろ」という意味にも捉えられるし。
「成長のためのストレス」をとらえることもできる。
それはどちらにおいても正しい解釈で間違いではありません。
そもそもストレスというのは、僕らに準備を与えるものであって、敵でも味方でもなく自然現象なのですから。
そしてストレスを乗り越えればそれが成長となり。
逆にストレスを感じない仕事は、「成長がない」仕事と捉えられるため、「ストレスと成長」とは密接に関わっている訳です。
このように成長や準備といった意味に変えていくことによって、うまくストレスと向き合い「新しい意味」を見いだしていくのが、リアプレイザルというテクニック。
実際にこの記事で紹介している研究でも、ストレスに対する捉え方を変えるだけで、脳内で分泌されるホルモンが変わり。
生産性やGDP、はたまた寿命までも伸びていた研究があったりします。
ですから、このリアプレイザルというのは、シンプルなのに効果が高いテクニックだと言える訳です。
解決策3:楽しみを作っておく
そして最後の解決策。
「楽しみを作っておく」ということですが、リアプレイザルは、ストレスを抱えるその根本の意味合いを変えて行くことにフォーカスを当てていた訳です。
ただ「現実の楽しみ」を持っておくことも、またストレスへの捉え方を変えてくれるテクニックです。
いわばご褒美ですね。
この記事でもご褒美に関して、紹介していますが、やはり効果のあるものが「乗り越えた後にご褒美を用意しておく」ということ。
そのために「楽しみを作っておく」ということで、ストレスをうまく消化させることにつながる、ということですね。
これはなんだっていいです。
仮に「今日1日乗り越えたら友人とディナーだ」であっても、乗り越えられるご褒美になるでしょうし。
今回のプロジェクトが終わったら、自分の好きなものを買ってもいい、という1日単位ではなくプロジェクト単位で考えてもいいです。
楽しみを作っておき、それを朝考えるだけでもワーキングメモリーの能力の低下を防ぎ、生産性を向上させるのに一役買ってくれるので、「楽しみを作る」という方法はかなり効果的だと思います。
まとめ
最後に長くなってしまったので、まとめておくと。
ストレスを抱えると生産性は落ちる。
またストレスを予測するだけでも生産性が落ちることが判っている。
それはストレスを感じるorストレスを予測することによって、ワーキングメモリーが低下するため。
そしてこのワーキングメモリーは
- 決断力
- 注意力
- 集中力
- 自制心(セルフコントロール力)
これらを司っているため、ワーキングメモリーの能力が低下すると生産性が落ちることにつながる。
つまり、ストレスを感じさせないorストレスを予測させないことが重要で、ワーキングメモリーの能力を低下させないことが大切になってくる。
そのために取れる対策としては3つ考えられていて。
- ポジティブなことを連想する
- リアプレイザル
- 楽しみを作っておく
これら3つのテクニックが活用できる。
まとめるとこんな感じですね。
ぜひ参考にどうぞ。