「頑張った自分へのご褒美」はやっていいのか?科学的な答えがこちら。

今回はタイトルにあるとおり。

「ご褒美」に関して、面白いことを知ったので、それをシェアしておこうと思います。

よく「頑張った自分へのご褒美」と称して、ダイエット中なのにお菓子を食べたり、洋服をかったり。

はたまた高級ブランドを買ったりしたりする人がいますが、ここで悩ましいのは「本当にご褒美って渡して良いのか?」ということ。

それによってモチベーションが落ちてしまったり、達成感を感じて、行動しなくなってしまったりすることはないのか。と不安になる。

この「頑張った自分へのご褒美」に関して、科学的なアンサーが出ていたので、それを紹介しておきます。

結論から言えば、「誘引バンドル」として活用するのであれば、ご褒美は有効です。

それ以外であれば、逆効果となってしまうので、注意が必要。

特に「高級ブランドを買う」なんていうのは、結構まずいかも。

異なる3つのご褒美を比べてみた結果

誘引バンドルとは何か。

これに関しては、実際の研究とその根拠を解説していった方がわかりやすいと思うので、そちらを先に解説しておくと。

これは2013年にペンシルベニア大学が行った研究が元になっていて。

この論文では、被験者である226人の学生を集め、3つのグループに分かれていってもらいます。

基本的に集められた学生というのは、運動の習慣がない学生でした。

その運動が習慣となっていない学生に対して、どうやったらジムに通ってもらえるのか?ということがこの研究の主な目標。

(これって論文あるあるですが、習慣とかモチベーションの研究で「運動」が採用される割合って高いような気がするw)

この目標のために3つのグループに分けて、実験を行っていったわけです。

その3つのグループとは以下の通り。

  1. ジムに行ったら、面白いオーディオブックが聴けるとしたグループ
  2. オーディオブックが入ったデバイスを渡して、ジムに行った時だけ聴けると指示したグループ
  3. ジムに行ったら商品券を渡すグループ

この3つに分けて、どれぐらいジムに通うのか?ということを観察していったわけです。

結論から言えば、ジムに通う確率としては、「1、2、3」この順番で高く。

低い順番としては「3→2→1」この順番で効果が低いことがわかりました。

具体的には、1の「ジムに行った時だけ、面白いオーディオブックが聴ける」としたグループは、2のグループよりもおよそ29%も割合が高い学生がジムに通い、習慣化として根付きやすい傾向にあることがわかりました。

またランキング1位の1番のグループと3の「ジムに行ったら商品券がもらえる」としたグループとを比べると、およそ51%も高い割合で学生はジムに通うことがわかりました。

この「ジムに行ったらオーディオブックが聴ける」という興味の対象が「誘引バンドル」というものです。

そして、この研究からわかることというのが、一番わかりやすい「商品券」という単なる「ご褒美」にはあまり効果はなく。

「その場所に行かないと手に入らない」ということが、ジムに通うやる気を促進してくれた、ということが言えるわけです。

なぜ誘引バンドルが効果的なのか

では次に。

なぜ誘引バンドルが効果的だったのか。

その理由に関して解説していくと。

この誘引バンドルに関して、先ほどの研究を紐解いていくと3つのグループよりも2つづつのグループで比較するとよりわかりやすくなると思います。

どういうことかというと、まず見ていくのは、

  • ジムに行ったら、面白いオーディオブックが聴けるとしたグループ
  • ジムに行ったら商品券を渡すグループ

この2つのグループ。

この2つのグループは両者とも「ご褒美」はあるものの、違いとして見えてくるのは、ご褒美の種類の違い。

「オーディオブック」というご褒美は、知的好奇心を満たすためのご褒美であるのに対し。

「商品券」というのは、お金と類似するご褒美です。

この2つとでは、ジムに通う割合が51%も「オーディオブック」の方が高く、「知的好奇心」というご褒美を与えた方が効果的だということを示しています。

次に「知的好奇心」というご褒美においても、

  • ジムに行ったら、面白いオーディオブックが聴けるとしたグループ
  • オーディオブックが入ったデバイスを渡して、ジムに行った時だけ聴けると指示したグループ

この2つのを見ていくとわかる違いが、「ジム」と「ジム以外」でも聴けるかどうか。

これに関しては、「ジムだけしか聞けない」という場所とセットになったご褒美の方が、21%もジムに通う割合が高くなっていることがわかります。

このことからわかるのは、「知的好奇心というご褒美」+「場所」が重要であり。

「お金や高級ブランド」というものが、本当のご褒美には当たらないということが分かるわけです。

日常への3ステップ応用法

それもそのはずで。

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別のハーバード大学の研究でも同様の結論を出しています。

となると、お金や商品券といった端的な欲望を満たすものは、モチベーションとはなり得ず。

「成長」につながっていると実感することが、一番のモチベーションの源になるわけです。

そして、僕ら人間は「行動」と「場所」とをセットで考えて、アクションしています。

よく「自宅で仕事をしようとすると身が入らない」という悩みを聞きますが、それは脳が「自宅はリラックスする場所」というふうに認識しているため。

だからこそ、「場所」と「ご褒美」を紐づける誘引バンドルがご褒美には効果的だ、ということなんですね。

そうなってくると、色々と応用方法が見えてきます。

例えば、この研究のように「ジムに通う」ということを想定するのなら。

「可愛い女の子とであるかも」ということをご褒美とすれば、ジムに行かないと得られないご褒美であり「場所とご褒美」が紐づいていることになります。

またその誘引バンドルというご褒美をきっかけに、ジム通いを続ければ、体への変化もみられるようになってくる。

そうなると「自身の成長」を感じられるため、よりモチベーションが高まってくるわけです。

つまり習慣化としての手順として効果的なのは、

習慣化の初期段階では「誘引バンドル(ご褒美)を使い、慣れさせていく」

習慣化の中期段階では「成長を感じ、楽しく感じさせていく」

習慣化の最終段階では「習慣として定着し、やることが当たり前になっていく」

この3つのステップが効果的であることがわかってくるわけです。

ですから、ご褒美としてまず考えなくてはいけないのは「誘引バンドル」であり、「その場所に行かないと得られないもの」を考えるのが、本当に正しいご褒美の作り方だということですね。

まとめ

最後に長くなってしまったのでまとめておくと。

頑張った自分へのご褒美として一番正しいのは、「誘引バンドル」

つまり、その場所にいかないと手に入らないご褒美を作ること。

また一方で「その場所に行かなくても手に入るもの」や「お金や商品券」にはあまり効果はない。

なぜなら、人は行動を場所とセットで考える生き物であり、「場所にご褒美」が用意されていることで、行動を促進させることができるため。

また、単的な欲望を満たすお金や商品券に継続制覇なく、「成長を感じる」ということがモチベーションの根幹に影響する。

この誘引バンドルをうまく活用する手順は、

  1. 習慣化の初期段階では「誘引バンドル(ご褒美)を使い、慣れさせていく」
  2. 習慣化の中期段階では「成長を感じ、楽しく感じさせていく」
  3. 習慣化の最終段階では「習慣として定着し、やることが当たり前になっていく」

この3つの手順がおすすめ。

まとめるとこんな感じですね。

ぜひ参考にどうぞ。