注意力が散漫な状態をあえて生かすリーキーアテンション術。

今回はタイトルにある通り。

「注意力が散漫な状態」に関して面白いことを知ったので、それをシェアしておこうと思います。

先に結論から伝えておくと、注意力が低い状態や散漫な状態というのは、逆にある特定化において「創造性が高まる」ということが分かっています。

多くの人は「注意力が低下したり、散漫な状態はだめだ」って嘆くと思うんだけど、全然そんなことはなくって。

「注意力が逆にパワーになるとき」っていうのも、実際に存在しているから、ぜひ逆に生かしてみてほしいなって思いますね。

注意力が低い人ほどクリエイティブ性が高い

じゃあ、注意力が低下して散漫な状態がなぜ創造性を高めるのか。

その根拠から解説していくと。

これはノースウェスタン大学が行った研究がもとになっていて。

この論文では、被験者を集め、まずナヴォン図形というものを見てもらいます。

このナヴォン図形っていうのは、「s」という文字で、アルファベットで大きな「T」を描いたり。

はたまた「+」という記号を使って、「T」という文字に見えるように配置したり。

そうした図形のことをナヴォン図形と言います。

(知らない人はググってみて!)

あれに近いかも。

よくクイズ番組で「赤色」なんだけど「青色」っていう文字が書かれているクイズってありません。

一見すると「赤」だから、青色に反応しちゃうみたいな。

そういう脳が騙されちゃうようなひっかけのクイズがあると思いますが、そんなイメージがナヴォン図形。

これを被験者に見てもらい、「小さなSを見てください」や「小さなSでかたどった大きなTを見てください」というように指示していき、被験者の「注意力」を測定していきます。

当然脳の錯覚に騙されずに、指示された通りの「小さなS」や「大きなT」を見れる人というのは注意力が高い人で、指示通りに見れなかった人は注意力が低い人ということになります。

一見すると、このノースウェスタン大学の研究でも「注意力が低い人はだめ」というように思えますが、実はこの研究そうじゃなく。

ナヴォン図形を被験者に見てもらった後に、創造性のテスト行ってもらい、料理やアート、ダンスなどのアーティスト活動の有無などを質問していきました。

その結果わかったのは、注意力が低く散漫な人というのは、実は創造性が高い傾向にあり、実生活においてもクリエイティブな活動や仕事に従事している割合が高いことが分かっています。

つまり何が言いたいのかというと、注意散漫であったり注意力が低い人というのは、「創造性が高い」ということが、このノースウェスタンの研究によって明らかになった、ということが言えるんですね。

なぜ注意散漫な状態がクリエイティブさを高めるのか

じゃあなぜ注意力が散漫になってたり、低い人ほど創造性が高い、かつアーティスト活動をしている割合が高かったのか。

その理由っていうのを解説していくと、冒頭でも伝えた通りの「ある条件下においては創造性が高まる」ということにつながるので解説していくと。

注意力が低く散漫になりがちな人というのは、裏を返すと「不要な情報を捨てきれていない人」という特徴があります。

さきのノースウェスタン大学のナヴォン図形の測定も、注意力がたかければ、指示されたことに対して「もうこの情報は不要だから次へ」というように取捨選択がうまくいきます。

一方で、指示通りに切り替えが出来なかった人というのは、言われた情報を捨てきれずに、不要な情報として取ってしまっている状態。

ただ大切なのは「不要な情報」が本当に無価値かどうかとは別の話で、「捨てきれなかった情報」にこそ本当の価値があるケースが往々にして存在します。

僕は芸人が好きですが、すべらない話なんかでも「よくそんな面白い出来事が起こるなぁ」なんて思いますが、ある芸人さんが言うには「みんな面白い体験は身に起こっている。だけどそれを切り取って覚えているかどうかが、芸人とそうじゃない人の違い。」

そんな風に言っています。

これは「捨てれなかった不要な情報に価値があることを示したケース」ですね。

多分ですけど、芸人さんは注意力が低い人って多いと思います。個人的に。

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そしてこの「アイデアのつくり方」という本でも描かれますが、アイデアというのは「情報と情報の掛け算」でしか作られないことが描かれます。

つまり知っていることや覚えたことを掛け算して、新しいアイデアが生み出されていく、と。

とするのなら、注意力が低く散漫になりがちな人ほど、逆に様々なことを情報として覚えているため、掛け算したときに良いアイデアが生まれることが多い、ということが言えるわけですね。

あえて注意力を低下させる応用方法

厳密に言うと「リーキーアテンション」という現象が、創造性を高めている、ということが分かっています。

リーキーアテンションというのは、脳の半分では1つのことに注力しているが、もう一方では別のことを考えている、というような状態のこと。

よく映画やドラマなどを見ているときって、ストーリーはきちんと見てはいるが、別のことを頭で考えたり、スマホをいじったりしているときってありません?

まさにこの状態こそが、「リーキーアテンション」だということ。

そして、上記のノースウェスタン大学の研究において「ナヴォン図形」を見せた研究はまさにこのリーキーアテンションの研究だったとも言えます。

だからこそ、注意力が低く散漫になりがちな人ほど、逆に様々なことを情報として覚えているため、掛け算したときに良いアイデアが生まれることが多いといえるわけですね。

その上で、どうやって実生活に生かしていけばいいのか。

この部分を解説していくと。

まさに「リーキーアテンション」の状態をあえて作ることが、創造性を高める上で大切になってきます。

もちろん最初から注意散漫な人は、逆にクリエイティブ性が高いので、そういった仕事をしてみるや転職なんかも考えらえます。

また「使い分け」ということで、「今はアイデアが欲しい」や「創造性の仕事だ」というシーンにおいて、あえて「注意散漫な状態を作る」ことも有効です。

実は良いアイデアが出るタイミングとしてトップなのが「シャワー中」だということが分かっています。

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これはまさに今回のリーキーアテンションの状況にかなり似ているため。

頭を洗っているが、別のことを考えている。

そのことが創造性を高めるため、シャワー中が最もいいアイデアを出しやすい瞬間として研究で証明されています。

なので、あえてリーキーアテンションの状態を作る、ということでいえば「シャワーを浴びる」ということを視野に入れてもいいかもしれない。

後研究者の中では「散歩中に答えがひらめく」という人も結構います。

この「散歩」というのも、歩いてはいるが、頭の中は別のことを考えているというリーキーアテンションの状態を作りやすいので、散歩も効果的ですね。

このように、注意散漫な状態というのは全てが全て悪いわけじゃなく、シーンによってや「やりたいこと」によってはかなり重宝できる力だということ。

むしろ「発想」や「アイデア」「創造性」という面においてはかなり強みになるので、強みに見極めて生かしていくということが大切なんだと思いますね。

実践法:実際に試してみた

んで。

このノースウェスタン大学の研究を知ってから、僕はあえてリーキーアテンション状態を意図して作っています。

まず具体的な方法でいうと「散歩」。

よく科学者や研究者が閃いた瞬間として挙げられる「散歩中」という動作。

これは言い換えるとリーキーアテンションな状態を自らで作り上げているためと言い換えることができます。

散歩

じゃあ実際散歩は発想力が高まるのか。

これに関して言えば、もう百点ですね。

めちゃくちゃ効果があると個人的には痛感しています。

当然いいアイデアが出ることって相対的に数は少ない。

だけど、すくなからず「アイデア単体」は間違いなく散歩をしていると出てきます。

んで。

家に戻ってきて、それをノートにまとめて「明日仮説検証しよう」という感じで毎日のルーティンに組み込んでいたりします。

僕はそれぐらい散歩はおすすめできて、いい方法だなと思います。

加えて解説しておくと。

僕は散歩中のやり方を2種類に分けていて。

「Air pods」でノイズキャンセリングをして、外部からの音をシャットアウトしている状態と、あえてノイズキャンセリング機能をオフにして外部の音を取り入れるときの2種類に分けて散歩しています。

ノイズキャンセリングをオンにすると全く音が聞こえないので、この時は「集中したいとき」。

だから自分の考えをまとめたりする時のこのモードを使用します。

一方で外部の音を入れたときというのは、「リーキーアテンション状態」を作りたいときで、まさに創造性を高めるためにノイズキャンセリングを切っています。

いづれにせよ散歩は一番お勧めできる創造性の高め方だと思いますね。

ゲーム

ゲームをするのも結構おすすめで、注意をあえて散漫にさせるために、かなり活用している方法ですね。

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事実上記記事でも解説していますが、ドイツのシャリテ大学の研究なんかでもゲームは脳トレになることが分かっています。

かつ注意散漫な状態を作れてコミュニケーションも図ることができ、ストレス発散になるので、ゲームも結構取り入れてますね。

ただ、このゲームは正直創造性を高めてくれるからやっている、っていうよりは「楽しいから」っていう理由が大きいので、「本気」で注意散漫名状態を作りに行っているわけじゃないんですよね。

なので、散歩よりは効果が劣るかなって感じはしてます。

が、いい息抜きになるのは間違いないので、習慣にしているって感じですね。

YouTubeのながら見

あともう一つリーキーアテンションの状態を作るうえで、よく注意散漫活創造性が高まるなって瞬間は「ながら見」です。

僕であればYouTubeなんかを適当にながら見しているときに、いいアイデアや創造性が高まっている感覚があったりしますね。

別にこれはYouTubeじゃなくても、テレビでもいいと思うし、映画でもいいと思うんですが、大切なのは「真剣に見入らない」っていうことが大切で。

本当に適当に見ているときに、頭の中では別のことを考えていて、その時こそ「バラバラのパズルが一つのピースにつながる」っていう感覚があったりするんですよね。

まさにリーキーアテンションが起こっていて。

それはYouTubeを見ているんだけど、あくまで「ながら見」だから、いろいろなところに注意が向いている状態になっているということで。

リーキーアテンションの条件となる注意散漫があえて引き起こされているからこそ起こる現象なんだと思います。

これも個人的にはおすすめですね。

まとめ

少し長くなったので、最後にまとめておくと。

ノースウェスタン大学の研究によって、「注意力が低く散漫になりがちな人ほど創造性が高い」ということが分かっている。

「注意力が低く散漫になりがちな人ほど創造性が高い」理由は、注意散漫な人は不要な情報を捨てきれないため。

しかし不要な情報は「価値がない」こととは全く違う。さらにアイデアは情報と情報の掛け算なため、「誰もが忘れている=自分だけが持っている情報」として携えている人のほうが創造性が高いのは必然。

そして、あえて注意力を低くすることによって「創造性を高める方法」としてリーキーアテンションの状態を作りだすことで、シーンにおいて求めているものを得られる可能性が高まる。

具体的には、散歩やシャワーなどが有効的。

まとめるとこんな感じですね。

ぜひ参考にどうぞ。