今回はタイトルにある通り。
「会議」に関して面白いことを知ったので、それをシェアしておこうと思います。
多分この会議のやり方ってほとんどすべての会社が行っている会議のやり方で。
「99%の会社がやっている」といったのは、誇張でも誇大広告でもなんでもなくって。
このやり方で会議を行ってしまうと、生産性やアイデアの創出、また共同感覚もなくなることが分かっています。
先に結論から伝えておくと、その99%の会社がやっている会議の方法というのが「座りながら会議をする」ということ。
この「座りながら」という部分が、生産性をかなり落とすことが分かっているので、今回はそんな研究を紹介しておこうと思います。
座りながら会議をすると発想力がガクンと下がる
これはワシントン大学が発表した論文が元になっていて。
この論文では、被験者の大学生を214人集めて、ある研究が行われました。
その研究というのが、まず被験者たちを3~5つのグループに分けて「大学の宣伝ビデオをよりよく改善するには?」という命題のもと、30分会議を行ってもらいます。
その上で、被験者たちを2つのパターンに分けて進行を確認していきました。
- イスに座って会議に参加してもらう
- イスに座らずに立って会議に参加してもらう
こうして2つのパターンに分けて、それぞれ会議を行ってもらいました。
この会議の様子は研究者たちによって動画で収録されており、被験者たちの会話の様子などを判定していき、「どちらのパターンのほうが有意義な会議、かついいアイデアが出る割合が高かったのか?」ということを調べていったんですね。
すると主に2つのことが判明しました。
まず1つ目が、イスに座るよりも立って会議したグループのほうが、覚醒度が高い被験者が多い傾向にあり、積極的かつ前のめりになって会議に参加する人が多くあった、ということが分かっています。
そして2つ目に、イスに座るよりも立って会議したグループのほうが、自分の発送などを周りにシェアしたりするため、最終的に良いアイデアが出る割合が高かった、ということが分かっています。
つまり、このワシントン大学の研究によって判明したことは「会議は座ってやるよりも立って行ったほうが、参加者が積極的に会議に参加し、良いアイデアが出る割合が高くなる」ということが言えるわけですね。
なぜ座るよりも立った方が有意義な会議が行えるのか
では次に。
「なぜ座るよりも立って会議を行ったほうが、有意義な会議になるのか」
その理由について解説しておくと。
これは「共同意識」「脳と運動の関係」の2つが原因だと考えられています。
座るよりも立って会議した方がよかった効果の1つ目として「積極的に会議に参加するようになった」ということですが、これは「共同意識が働いた」ことが考えられます。
この例として近い研究では、スタンフォード大学の研究がかなり近い研究として上記記事で紹介しています。
ここでは簡単に解説しておくと、見ず知らずの被験者同士をグループとして組ませたうえで
- 黙読で国歌を歌ってもらう
- 大声に出して一緒に歌ってもらう
- ヘッドホンをして一人で歌ってもらう
このいづれかのタスクをかしたうえで、グループ同士の親密度を計測していった結果、圧倒的に「大声で一緒に歌ってグループ」というのが、仲良くなる割合が高かったことが分かっています。
これは要するに「同じ恥ずかしい体験をした仲間」ということで、他のグループより親密になったということが理由として挙げられるわけですが、「一緒にタスクを乗り越える」ということが共同意識を産むわけです。
今回のワシントン大学の研究にある「立って会議する」というのは、恥ずかしい体験ではないですが「座るより楽じゃない立ちっぱなしでいる」ということが、共同意識を産み、そのことによって積極的に会議に参加するようになったのではないか、ということが考えられるわけです。
そしてもう1つの効果としてあった「最終的に良いアイデアが出る割合が高かった」という部分ですが、これは「運動と脳」との関係が考えられています。
これは過去に紹介した記事でも解説していますが、スタンフォード大学の研究によって「座るよりも歩いたほうが良いアイデア出る」ということが分かっています。
上記の記事で詳しく解説しているので、再度ここでは簡単に解説しますが、座ってアイデアを出してもらうグループと歩いてアイデアを出してもらったグループとの比較をしていくと、圧倒的に「歩いたグループ」のほうが良いアイデアが出るということが分かっています。
だからこそ、アリストテレスなどの偉人もよく「散歩をしていた」ということが分かっていて、現代の研究者もよく散歩をする習慣があるわけです。
その上で、なぜいいアイデアが座るよりも歩いたほうが出やすいのかというと、歩くことによって脳が活性化し、より働くようになる、ということが考えられています。
厳密に言えば、専門用語でリーキーアテンションなどの効果もありますが、身体を動かすと頭が働くのは、僕らがホモサピエンスという動物だからです。
今回のワシントン大学の研究にある座るよりも立つというのほうが、当然体を動かしている状態に近く、脳が活性化したため良いアイデアが出るようになった、ということが考えられるわけですね。
まとめ
少し長くなったので、最後にまとめておくと。
99%の会社が行ってしまっている生産性をガクンと下げる会議の方法というのは、「座って会議をしてしまう」ということ。
逆に立って会議をするようにすると、全参加者が前向きに会議に参加し、良いアイデアを出してくれる割合が高まる、ということがワシントン大学の研究によって判明している。
参加者が前向きに会議に参加してくれる理由としては、立つという行為により「共同意識」が生まれることが原因だと考えられていて。
良いアイデアが出やすくなる理由としては、体を動かす行為によって「脳が活性化」したことが原因だと考えられている。
だからこそ、アメリカなどでは会議は立ってするようにする流れが一般化してきているため、日本でもなるべく立って会議を設けるなどの工夫が必要となる。
まとめるとこんな感じですね。
ちょっと最後に余談ですが、僕もまったくおんなじ経験があって。
ある友達の誕生日に、身内だけが集まってパーティーをやったことがあるんですが、座ってやったパターンと立って立食形式でやったパターンの2つがあるんですよね。
んで。
座ってパーティーをやったパターンって、テーブル内でコミュニティを作ってしまうので、横の広がりがなくってすごく静かなパーティーになってしまったんですよね。
そこから「椅子をなくす」ということをして強制的に立ってもらうようにしたんですが、参加者のほとんどが積極的に話をするようになって、パーティーに参加してもらうことが出来たんですね。
ちょっと会議から脱線した話ですが、やっぱり座ると立つのとでは違うんだなぁ~って痛感した体験でした。
ぜひ参考になれば幸いです。