隣の人の自己効力感は伝染するよって話。

今回はタイトルにある通り。

「自己効力感」に関して面白いことを知ったので、それをシェアしておこうと思います。

自己効力感や自己肯定感というのは、当然高い方がよくって、あらゆる動作において自己効力感の有無というのはかかわってきます。

自己肯定感が高い人のほうが成功しやすいこととの相関性があったり、自己効力感が高い人のほうが生産性や意志力が高かったり。

そういった相関性があったりしますが、まず先に結論から伝えておくと。

この自己効力感というのは、「隣の人」によって伝染します。

なので、恋人やパートナー、あるいは家族や親せき友人など、なるべく身近な人に自己効力感が高い人を集め、逆に自己効力感が低い人とは近寄らないようにすることが自分の身を守る方法につながるため、注意してみてください。

根拠

この自己効力感が伝染するっていうことのその根拠を面白いので解説しておくと。

これはベルリン大学が2018年に発表した論文が元になっていて。

この論文で行われた研究において85組のカップルを集めていきます。

そのカップルはいづれも「禁煙をスタートさせたパートナーがいる」カップルでしたが、21日間にわたって「タバコを吸った本数」や「自己効力感」などを観察し調査していきました。

いづれかが禁煙をしているということなので、彼女や奥さんがタバコをやめているケースもあれば、彼氏や旦那さんがやめているケースもあるってことですね。

それぞれの状況を21日間観察していったわけですが、まず一つ目に分かったのが「自己効力感が高い人のほうがタバコを吸った本数が少なかった」ということが判明しています。

これはなんとなくイメージがつきそうですが、面白いのは次からで。

実は「禁煙に取り組んだ人のパートナーの自己効力感が高い相手だった場合、タバコを吸う割合が少なかった」ということも2つ目の事実として判明しました。

これは要するに、禁煙を応援する人の「自己効力感」が禁煙する人にも伝染していることを意味していて。

自分ではなくパートナーの自己効力感が高ければ高いほど、本人もタバコをやめられる割合が高くなったということなんですね。

つまり、自己効力感というのは、自分自身がどうこうというよりも、状況や環境によって左右され、パートナーの影響を多大に受けてしまう、ということなんですね。

仕事ができない人が隣にいると生産性が落ちる

このベルリン大学の研究を見た時に、僕が感じたのが「あれ?似たような研究見たことがあるな」ということでした。

んでやっぱり調べてみたら発見して。

会社で仕事ができない人の隣にいると自分自身も仕事ができない人になる話。
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過去に記事として取り上げていたんですが、ハーバード大学の研究が同様のことを伝えています。

結果だけをお伝えすると、仕事ができない人の隣に座って仕事をすると、おおよそ10%生産性が低下することが分かっています。

今回紹介したベルリン大学の研究では「自己効力感」でしたが、仕事というシーンにおいては「生産性」への影響も身近な人から受けてしまうこともわかっています。

なぜ人間は周りの影響を受けやすいのか

今回紹介したベルリン大学の研究もそうですし、仕事ができない人の隣のデスクの人は生産性が低下するとしたハーバード大学の研究もそうですが、「なぜ身近な人の影響を受けやすいのか」というその理由について解説しておくと。

これは多くの人が予想した通りだと思いますが、僕ら人間は「環境」に大きな影響を受けることが分かっています。

過去をさかのぼれば、僕らホモサピエンスはコミュニティ形成をすることで、弱肉強食の世界を生き抜いてきました。

そのため、周りの人と調和し協力しながら生き抜く、という力を手にしたわけですが、反対に「調和するために影響を受ける」という側面も持ち合わせていた。

コミュニティ形成をする代償として、「周りの人影響を受けるようになった」ということが、人類の生き抜いてきた歴史を見ると説明されたりします。

またFULLPOWERという本でも描かれますが、僕ら人間の「意志の力」というのはかなりもろく弱いことが分かっています。

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だからこそこの本では「自分を変えるためには意志の力に頼るのではなく、習慣に落とし込み環境を味方につける」という風に、自分を変える方法として科学的なアプローチが描かれます。

(この本はかなり面白いのでおすすめです。)

こうした取り組みからも見てわかる通り、ベルリン大学の研究にある「禁煙」というのは「一人の意志力」に頼りやめられるものではなく、コミュニティ形成をなすことで調和してきた「周りの人の協力」が大切なものであり、かつ周りの人影響を強く受けることから「自己効力感が伝染した」ということが考えられるわけです。

まとめ

少し長くなったので、最後にまとめておくと。

自己効力感は伝染する。

自己効力感が高い人の近くにいると、自分自身の自己効力感も高まり、自己効力感が低い人の近くにいると自己効力感が低くなる傾向にある。

これは禁煙を始めたカップル85組を対象にした研究によって明らかとなり、自己効力感と禁煙の達成率の相関とともに、「パートナーの自己効力感の有無と禁煙の達成率」の相関が確認されたことが証明している。

また仕事ができない人の隣にいると生産性が10%ほど低下することがハーバード大学の研究により判明している。

そのため、なるべく「自己効力感が少ない人」は身近に置くべきではなく、付き合い人などは吟味した方が良い。

まとめるとこんな感じですね。

あ。そうそう。

身近な人がどういう人なのかっていうことは、IQなんかにも影響するってことが言われていたりするので、やっぱり人間関係というのはないがしろにしてはいけないですね。

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