今回はタイトルにある通り。
「音楽と創造性」に関して面白いことを知ったので、それをシェアしておこうと思います。
先に結論から伝えておくと、クリエイティビティを高めるために効果的な曲は「ビバルディの四季」で、このビバルディの四季を聞くことによって創造性が高まる、ということが分かっています。
いやいや、と。
「そこまで古い曲は聞かないよ」と思う方もいるかもしれませんが、当然な話、このビバルディの四季だけが創造性を上げるわけじゃなく、あるポイント抑えれば他の曲や音楽であっても応用が利くので、その部分を含めて詳しく解説していこうと思います。
幸福感を高める音楽を聴くと、創造性が上がる
ではさっそく。
ビバルディの四季を聞くと創造性が高まる、というその根拠から解説していくと。
これはラドバウド大学が2017年に行った研究がもとになっていて。
この論文では155人の男女を集め、4つのグループに分かれてもらいます。
その4つのグループというのが、それぞれ
- 幸福
- 不安
- 悲しみ
- 落ち着き
それぞれの感情を抱かせるような曲を流して聞いてもらう、という組み分けでした。
ちなみに言うと、幸福をイメージさせる曲として選ばれたのが「ビバルディの四季」。
不安は「ホルストの火星、戦争をもたらす者」で、悲しみは「サミュエルバーバー弦楽ののためのアダージョ」、落ち着きが「サンサーンスの動物の謝肉祭」でした。
まあ、それぞれの曲名やアーティストは覚えなくてもいいですが、落ち着き、不安、悲しみ、幸福といったそれぞれの感情を抱かせるような音楽を、それぞれ流して聞いたもらったということですね。
その後に全被験者に対して創造性テストを行い、「どういった感情を抱いたグループの人たちが、一番創造性が高いか」ということをチェックしていきました。
その結果わかったのは、ビバルディの四季である「幸福」な感情を抱いたい被験者が圧倒的に創造性のテスト結果が高く、クリエイティブ性が向上する結果であることが判明しました。
つまり、アイデアを出したい際やクリエイティブ性を高めたいときは「幸福度が増す音楽」を聴くことによって創造性を高めることにつながる、ということがこのラドバウド大学の研究により判明した、ということなんですね。
なぜ幸福度とクリエイティブ性に相関性があるのか
では次に。
なぜ不安や悲しみ、落ち着きといった感情ではなく「幸福」といった感情がクリエイティビティを高める結果となったのか。
その原因を解説していくと。
これは幸福度が上がることによって「拡散思考となった」ことが原因となったと考えられています。
拡散思考というのは、言うなればあらゆる視点から物事を解決するための思考のことで。
その反対が収束思考と言ったりします。
これはクイズ番組とかIQテストのようなものをイメージしてもらうとわかりやすいと思いますが、クイズとかって「一つの考え方」で解けなかった場合、いかに「別の視点」で物事を見るのかが大切になってきます。
この別の視点にすぐに切り替えられる人が、いわゆる「発想が柔軟な人」といわれたりするわけですね。
そして幸福になるような曲を聴くことによって、ポジティブさや高揚感がもたらされたことによって、拡散思考を促すことにつながります。
この拡散思考を促されたことで、「様々な視点」で物事をとらえられるようになったため、クリエイティブ性が高まった、ということが考えられるわけですね。
つまりポイントは「拡散思考」で、柔軟な発想や様々な視点で物事を見る、という部分がクリエイティブ性と関わりがあり、幸福度を高める音楽を聴くことで拡散思考を促されるため、創造性テストの結果が高かった、ということが言えるわけです。
ゼッタイに音楽聞いてはいけない瞬間
ただ一つ注意点なのは、このラドバウド大学の研究でも「事前に音楽を聴きテストを行った」というポイント。
ここが一番の注意点で、「テスト中に音楽を聴いていた」ということではないんですね。
というのも、一つ注意が必要なのは何かしらの作業中に音楽や曲などを聞く「BGM」は脳の働きを阻害することが分かっています。
それはこのランカスター大学の研究でも証明されていますが、歌詞がない曲や歌詞が分からない曲、クラシックなどを含めてほぼすべての音楽は生産性を下げることが分かっています。
こののウェールズ大学の研究でも同様のことが報告されていて、結果としては同様に「無音な状態」が一番生産性が高いことが分かっています。
そしてポイントなのは、今回紹介したラドバウド大学の研究は「事前に音楽を聴いた」ということで、テスト中に音楽を聴いていたわけじゃないんですね。
ここは注意が必要で、クリエイティブ性を高めるために「事前に音楽」を聴いたほうが高まり、アイデアを形にしたり、作業に取り掛かるときには音楽などを聴くのはやめた方が良い、ということが言えるわけです。
この部分を間違える人が多々いるので注意してください。
まとめ
少し長くなったので、最後にまとめておくと。
幸福度を高める音楽を聴くと、クリエイティビティを高めることにつながる。
それはポジティブさや高揚感が拡散思考を促すことにつながり、拡散思考ができることで様々な視点から物事を見られるようになるため、創造性が上がったことが考えられている。
言い換えると、ポジティブさや高揚感を高めてくれる音楽であれば、自分の好きな曲やお気に入りの音楽でもいいので、幸福感を「高揚感やポジティブさ」と置き換えると他の曲にも応用が可能。
ただし注意点として、「作業に取り掛かる前」に聞く音楽はクリエイティビティを高めるのに効果的だが、「作業中」に聞くBGMなどは生産性を下げる効果があるので、そこは注意が必要。
取り掛かる前に聞き、作業中は聞かないというのが、音楽と生産性を組み合わせた時に一番効果的な方法。
まとめるとこんな感じですね。
ぜひ参考にどうぞ。