今回はタイトルにある通り。
「性格が悪い奴」に関して面白いことを知ったので、それをシェアしておこうと思います。
先に結論から伝えておくと、性格が悪い奴が突然変わって「性格が良い奴」になることはほとんどなく。
ある研究によると20年たっても「人のダークな部分に変化はない」ということが分かっています。
今回はそんな人の性格の悪い部分にスポットを当てた面白い研究を紹介しておこうと思います。
嫌な奴は20年たっても嫌な奴のまんま
ではさっそく。
人の悪い性質や性格は20年たっても変わらないと言える、その根拠から解説していくと。
これはフロリダ国立大学が行った研究がもとになっていて。
この論文では、デンマーク人1244人を対象にしてある研究が行われました。
その研究というのが、集めた被験者に対して1992年と2012年の2回にわたって「ミネソタ多面人格目録」という心理テストを行ってもらいます。
このミネソタ多面人格目録というのは心理テストの1つではあるのですが、簡単に言えば「人の悪い側面」に対してスポットを当てた心理テストになります。
良く心理学の世界で「ビッグファイブテスト」と呼ばれる心理テストが存在しますが、現在の心理学の世界ではかなりその人の傾向や性格を掴むうえで信ぴょう性が高いテストだとされています。
ミネソタ多面人格目録というのは、このビッグファイブの心理テストの「悪い部分」にフューチャーされているもので、信ぴょう性は結構高い心理テストだとされています。
具体的には
- 攻撃性
- 脱抑制性
- 負の感情性
- 精神病性
- 内向性
この5つの分野やカテゴリーに沿って分析がなされるもので。
攻撃性というのは、その名の通り攻撃的な性格かどうかの診断で、内容としては「権威が好きかどうか」といった側面がテストされ判断されます。
脱抑制性というのは、自己コントロールの有無を判断するもので、「自分を世抑制できるか」といった側面をテストし判断されます。
負の感情性というのは、ネガティブの有無を判断するもので、落ち込みやすかったり、悲観的な側面をテストし判断します。
精神病性というのは、その名の通りで、抑うつ傾向などの有無を判断し、精神的にやみやすいかどうかを判断します。
内向性というのは、これもその名の通りですが、内向的かどうかをテスト判断します。
このように見てもらったら分かる通りですが、いづれも「性格として悪い部分」にフォーカスが当たった心理分析で、よくある心理分析の「誠実性、自己抑制」などが項目に含まれていないことが分かります。
フロリダ国立大学は、このミネソタ多面人格目録を1992年に行い、その20年後の2012年にもう一度このミネソタ多面人格目録を行うことで、「20年たって人の悪い性格は変わるのか?」ということを調べていったわけでした。
その結果判明したのは、「人の悪い性格は20年たってもほとんど変わらない」ということが判明し、同じ人に同じテスト行ってもらったところ、そのスコアにほとんど変化がないことが判明しました。
つまり、性格の悪い人というのは何年たとうが、ほとんど変化はなく、嫌な奴は嫌な奴のまんまだ、ということが判明したということなんですね。
なぜ人の悪い性格は変わらないのか
では次に。
なぜ嫌な性格は20年たっても変わらず、嫌な奴は嫌な奴のまんまなのか。
これに関しては「習慣」と「思考」が密接につながっていると考えられています。
というのも、嫌な性格、言い換えると思考というのはかなり強いつながりを持っています。
例えば、「頑張ってダイエットして痩せたい」という考えをしたときに、ダイエットという努力と自己コントロールによる継続という思考は、挫折し断念する人が多いように、簡単なものではありません。
その一方で「あいつはすぐにあきらめるやつだ」という攻撃性だったり、「運動するの怠いからやめる」という脱抑制性というのは、簡単に出来る上に楽な思考回路だったりします。
当然思考というのは習慣化し、その考え方が当たり前になっていきますから、負の感情が定着していくことになります。
つまりは、嫌な性格というのは習慣として簡単だからこそ、定着しやすい、ということが考えられるわけです。
そのため、何もしないケースにおいては「20年たっても人のダークな性格は変わらなかった」ということがフロリダ国立大学の研究では示唆されているわけです。
このことを見てみると、よく「あの人を変えてあげたい」という他人を変えることにフォーカスを当てる人がいますが、それは事実的に不可能に近く、「他人を変えることはできない」ということが、フロリダ国立大学のアンサーの1つにつながるわけです。
なら人は変われないのか
では最後に。
「人は変われないのか」という点から解説して締めようと思いますが、よく言われるように「他人は変えられないが、自分は変えられる」というのが、結局のところ最適解な気がします。
というのも、今回紹介したフロリダ国立大学の研究では「20年間何もしない」状態での変化を計測しました。
その結果、人のダークな部分の性格は変わらないという結果だったわけですが、その一方でスタンフォード大学の研究では「わずか30分で性格が変わった」とする研究が存在します。
上記の記事で詳しく解説していますが、このフロリダ国立大学の研究とスタンフォード大学の研究の大きな違いは「行動を起こしたかそうじゃないか」の違いです。
とすると、「他人を変えられない」のは「変えるための努力を強制できない」ことにあると言える。
つまり性格は変えようと思えば変えられるが、「他人をどうするかは自分が決められない。何をどうするかを決められるのは自分だけ」ということが言えるため、「他人は変えられるが自分は変えられない」ということが言えるんだと思います。
まとめ
少し長くなったので最後にまとめておくと。
嫌な奴は20年たっても嫌な奴のまんま。
悪い性格は何もしなければ、ほとんど変わることはない。
これはフロリダ国立大学の研究により明らかになったことで、人の悪い性格を判断する心理分析を20年にわたって行ったところ、テスト結果に相違はなかった。
このため、人の悪い性格というのは「意識、行動なし」で変わることはない。
その一方で「意識し行動する」ことによって性格が変化した研究もあるため、「他人は変えられないが、自分は変えられる」ということが言える。
まとめるとこんな感じですね。
嫌な奴や性格が悪いやつが近くにいると、仕事の生産性やネガティブな感情がより伝染しやすいという研究もあるので、そういう人とはなるべく距離を置き「自分を変える」というところにフォーカスするのが一番ベストな選択だと思いますね。
ぜひ参考にどうぞ。