今回はタイトルにある通り。
「ストレス解消」に関して、面白いことを知ったので、それをシェアしておこうと思います。
その方法っていうのが、「すれ違った人の幸せを願う」というもの。
このあからさまにスピリチュアル的な匂いのするストレス解消法ですが、僕のブログを知っている人なら「非科学的なもの」に興味を示さないのは、ご存知の通りだと思います。
(自己啓発みたいなのものね)
要するに、この「すれ違った人の幸せを願う」という、一見するとスピリチュアルっぽい方法が、実は科学的にも不安やストレスを解消させ、幸福度を高めてくれるっていうことがわかっているんですね。
なので、紹介しようと思った次第です。
根拠
まずは根拠から。
この根拠となる研究は、大学生の被験者496人を集め、3つのグループに分けます。
その3つのグループというのが、いずれも大学構内を歩いてもらい、歩きながらすれ違う人に対して「特定のこと」を想像してもらうというもの。
この「特定のこと」というのを、グループごとによって変えていったわけですが、1つ目のグループはすれ違う人に対して「幸せ」を願ったグループ。
「この人は綺麗なスタイルをしているな」だとか。
「優しそうな顔をしているから、いい両親に育てられたのかな」
そんな風に、褒めたりその人の幸せを願ったりして、簡単に言えば「ポジティブな想像」をしたグループが1つ目のグループでした。
2つ目のグループは、「共通点」を探してもらったグループ。
大学構内を歩いたとき、「髪色が同じだな」や「同じ時計をつけている」というように、共通点を探しながら、大学構内を歩いてもらったのが2つ目のグループでした。
そして3つ目が、同じく大学構内を歩いてもらいながら「他人をディスる」というのが、3つ目のグループでした。
「あいつはブスだ」や「あいつはスタイルが悪い」
そんな風に、すれ違う人に対して「悪口や陰口」を想像してもらいながら、構内を歩いたのが3つ目のグループでした。
このいずれのことを想像してもらった後、12分後に今一度テストをし「どういった違いが生まれたのか?」ということを調査していったわけです。
そしてその結果というのが、冒頭にも伝えた通りですが、わずか12分1回しか行なっていないこのテストでしたが、「すれ違った人の幸せを祈ったグループ」はストレスの軽減が見られ、不安感の減少や幸福度の増加、モチベーションの向上といった様々な効果が見られました。
しかもこのテスト。
先ほど伝えた通り、1回12分という超短期間で行われたテスト。
この短期間でこれだけメンタルにいい影響を与えるものは、他になかなかない。
一方で、そのほかのグループの結果を伝えておくと。
「共通点を見つける」
という2つ目のグループは、ソーシャルな深まりは確認されたものの、ストレスに対してや不安感に対しての改善は見られませんでした。
要するに、「共通点を見つける」ことは、コミュニケーション能力にはいい影響があるものの「メンタル」までに影響があるとは言えなかった、ということ。
そして一番最悪だったのは「他人をディスる」というもので。
一見すると、他人をディスれば、自分が気持ちよく感じられ、優位に立てると想像しがちですが、幸福度が激減し、かえってストレスをより感じやすくなる傾向にあることがわかりました。
つまり、ストレスが溜まったり、不安感を抱いた時に「他人に当たったり、他人を卑下したりするのは最悪」であり、ストレス解消をするためには「すれ違う人の幸せを願うこと」が、一番効果が高い、ということが研究の結果により判明したといいうことなんですね。
理由
ではなぜ、こういった結果になったのか。
これはもういろんなことから、その根拠を証明することができます。
まず1つ目に、「他人の幸せ」ということに関してピックアップすれば、下記記事の中で紹介している「ヘルパーズハイ」というものが挙げられます。
参考記事:「ストレス発散するより劇的に効果が実証されたアレの話。誰でも今すぐに出来る!」
参考記事2:「モチベーションが落ちた時に試してほしい!5分でやる気が回復する科学的な方法」
このヘルパーズハイといいうのは、他人に親切にすることによって、モチベーションやストレスが軽減される効果のことで、上記記事の中で紹介している通り、いろんな研究によって効果が証明されています。
それはおそらく「他人と強調して生き抜いてきた」という人類の歴史が、DNAに刻まれていることが由来の1つだと思われますが、このヘルパーズハイが今回の研究にも置いても、ストレス軽減などに影響したものと考えられます。
また、大学構内を歩くという「散歩」という行為一つとっても、かなりメンタルへの好影響が証明されています。
この記事では朝活にスポットを絞って紹介していますが、朝活以外でも話は同じで。
散歩をすることによって、アドレナリンやドーパミンをはじめとする脳内ホルモンが分泌され、そのことから「ストレス耐性」が得られたことが言えるわけです。
そして「他人の幸せを祈る」という1つのことに集中する、ということはひとえに「瞑想」と置き換えることもできますが、この瞑想も「ストレス解消」にはかなり効果が高いとされています。
この記事でも紹介している通りですね。
瞑想といっても「呼吸に集中する」だけの方法に限らず、マインドフルネス瞑想などを筆頭に「1つのことに集中」することや「あらゆるものを客観的に見る」というような、漠然と受け入れる瞑想も存在しています。
「本当に効果のある気分転換の5つの方法!旅行や買い物は実は逆効果!」
この記事でも紹介している「ポジティブなものを見つけることだけに集中する」というのと同じで、気分転換の効果が期待できるわけです。
そして。
逆に「他人をディスる」ことで、自分自身の幸福度を下げる、ということに関しては、「悪口やネガティブは7倍広がるという恐ろしい結果。絶対に付き合ってはいけない人の特徴」
この記事で紹介した研究でも伝えている通り、自分自身にも悪影響があることがわかっています。
つまり総じて。
「他人の幸せを願う」ことが、ストレス解消や不安軽減などの結果的に自分のためにもつながり。
その反面「他人をディスる」ことが、自分自身の幸福度を下げることにもつながる、ということが言えるわけなんですね。
応用方法
では、最後に。
どうやってこの論文を実生活に応用していったらいいのか。
これはもうシンプルに「大学構内を通勤や通学中」ととらえ直せば、そのままで十分に応用が可能だと思います。
通勤中にすれ違うサラリーマンに対して「幸せを祈ってあげる」というのでも十分ですし、はたまた学校に到着してすぐ「友達の幸せ」を祈ってあげてもいいかと思います。
僕は結構カフェに行くことが多いんですけど、この研究を知ってカフェにいる人の幸せを祈ってました。
散歩による効果はなくなりますが「同じ空間にいる人」に対しての幸せを祈っても、十分応用が可能なんじゃないかなと思います。
これ位が一応初心者の方用の応用方法。
もし仮に「瞑想」をすでにやっている人であれば、瞑想として「他人の幸せを願う時間」を取り入れてもいいんじゃないかなと思います。
あとは、散歩しながら「足」に意識を集中させておき、人とすれ違ったらその人の幸せを願う、みたいな。
要するに「意識的に瞑想と散歩と他人への幸せ」を組み合わせる、ってことですね。
それぞれここに効果は証明されているので、それを合わせていくっていうのが、この方法ですね。
慣れてきたら取り入れてみるといいんじゃないかなと思います。
実際にやってみた結果
んでね。
この研究を知ってから大分時間が経ちました。
で、この論文を知ってから、ある程度すれ違う人の幸せを願いながら歩くっていうことをやってみたんですよね。
その体験の中から、色々とわかってきたことがありましたので、実体験をシェアしておこうと思います。
すれ違う時には幸せを願うと良いはガチ
まず先に結論から言えば、今回紹介した論文のすれ違う時に幸せを願うだけでストレス軽減になるっていうのは、ガチだなって思いましたね。
意外かも知んないですけど、僕自身はめちゃくちゃ効果あるなって思いました。
普通に考えれば、頭の中で他人の幸せを願ってるってらやばいやつなんですが、頭の中で目の前の人が幸せになることを願うんですよね。
そしたら、自然と自分も幸せになるっていうか、少なくともストレスとか不安に対する感覚が緩やかになっていく感じがあるんですよね。
エスカレーション抑止の真逆
この感覚ってよく考えてみると、ストレスが溜まってる時って往々にして攻撃的なんですよね。
どうしたって相手のことは考えられず、自分のことしか考えられないのが、ストレスが溜まってる時です。
戦争なんかで恐怖を持って恐怖を制するっていう考えをエスカレーション抑止なんて言いますし、核に対しては核で対応するというのが、今は基本です。
ただ、このエスカレーションが抑止されず爆発した結果起こったのが世界大戦。
この感謝とか親切っていうのは、エスカレーション抑止の真逆で、幸福を願うことで自分も幸福になるっていう、ある種理想系の形だなって思ったんですよね。
国家間との間では、できないかもしれないけれど、個人レベルでは幸せや親切が自分にとっても一番良いっていう世界観が実現できるっていうことを知れただけでも、この論文を知った価値はあったかなって思います。
まとめ
長くなってしまったので、最後にまとめておくと。
被験者を3つのグループに分けて研究したところ、「すれ違った人の幸せを願ったグループ」は、1回12分の研究にも関わらずストレス減少や不安軽減、幸福感や自尊心の向上が見られた。
その理由は、「他人へ親切にすること」などは、人類が生き抜くために欠かせなかった「他者との協力」がDNAに刻まれているからではないか、と推測されており、「他人への親切」が様々な研究で証明されている。
なので、通勤や通学中の「すれ違った人」の幸せを祈るだけで、ストレスを和らげることにつながる。
まとめるとこんな感じですね。
かなり簡単で、いつでもできるので、ぜひ参考にどうぞ。