今回はタイトルにある通り。
試験やプレゼンなど、重要な仕事や用事の前にゼッタイにやってはいけないことに関して、面白いことを知ったので、それをシェアしておこうと思います。
結論から行ってしまうと、「SNSを触る」
このことにより、不安レベルが増加することが分かっています。
なので、大事な仕事や試験、プレゼンなどが控えている場合は、SNSをなるべく触らないことをお勧めします。
SNSを使うと不安は増加する
まずは根拠から。
これは2020年にテルアビブ大学が行った研究がもとになっていて。
「When facebook and finals collide – procrastinatory social media usage predicts enhanced anxiety」
この論文では、大学生の被験者51人を集め、ある研究を行いました。
その研究というのが、大事なことの前にSNSの利用頻度を調べ、不安とSNSとの相関関係がどうあるのかを調べていくというもの。
大事なことということの定義として、彼らには試験の4日前から、調査を開始し。
その4日間でのSNSの利用頻度をチェックしていきました。
そのあと、試験当日にあたって彼らの不安レベルを計測していき、SNSと不安レベルとの相関性を見ていったわけですが、面白いことがこの研究で判明しました。
まず1つ目に、大事な要件の前にSNSの利用頻度が高い被験者ほど、本番(試験)になったときに不安レベルは高まる傾向にありました。
そして2つ目に、SNSの利用タイムによって、不安レベルの増加具合が異なっていて。
いわゆる「自由時間」にSNSを利用している人は、さほど不安レベルが増加することはなかったのですが、勉強などを先延ばしにしてSNSを利用している人は不安レベルが増加することが判明しました。
つまりこういうこと。
大事な仕事や大切な要件などの本番前に、先延ばしとしてSNSを使うと、不安レベルは高まる。
が、「自由な時間」にSNSを触ることは特に問題ない。
大事なのはプレゼンや試験などの「大切なこと」の前に、その代わりと称してSNSを触れてしまうことがヤバイ、ということなんですね。
なぜSNSを使うと不安レベルは高まるのか
では次に。
なぜSNSを利用すると不安レベルは高まるのか。
これに関しては、おおよそ想像できると思いますが、よくスポーツ選手なんかで「恐怖や緊張を乗り越えるには練習するしかない」という風に言うインタビューを見たことがあるかと思います。
これの一言にあらわされていて。
もっと具体的、かつ科学的に説明すると。
大切な仕事や要件というのは、当然プレッシャーにさいなまれます。
僕ら人間というのは、こうしたプレッシャーをなるべく避け、「先延ばし」する傾向にあります。
どうにかプレッシャーを感じず、楽な方に逃げてしまう習性がある、ということですね。
そうしてプレッシャーを感じないように、人は物事を先延ばしにして、そのプレッシャーからなるべく解放されようと行動します。
そのプレッシャーの隙間を埋めるために、「何も考えなくてよい、楽なもの」としてSNSがその隙間を埋めるわけです。
ただ先ほども伝えた通りで、プレッシャーから解放されるわけでもなく、「不安レベル」は増加するので、本番では本来のパフォーマンスを発揮することができなくなる、という悪循環に陥るわけですね。
そのため、こうした一連の流れを知ってか知らずかわかりませんが、一流のスポーツ選手は、「恐怖や緊張を乗り越えるには練習するしかない」
という確信づいた名言を残せるわけですね。
これは心理学的にも核心を突いている言葉で。
まさしくの一言ですが、テルアビブ大学の研究によっても、これが証明されたわけですね。
プレッシャーから逃げようとすればするほど、そのプレッシャーにさいなまれ。
その隙間にSNSを利用すれば、不安レベルは高まる。
こういうことが言えるわけです。
プレッシャーや緊張とうまく付き合う方法
では実際に、どうやってプレッシャーや緊張とうまく付き合っていけばいいのか。
まずこのテルアビブ大学の研究を紐解いていくと、問題になってくるのは「プレッシャーによる先延ばし」からSNSを利用してしまうことが問題でした。
プレッシャーから解放されようとスマホやSNSを触ってしまう。
そのことにより、より不安レベルは高まってしまう。
一方で「自由時間」に関しては、さほど問題がないこともわかっています。
なので、SNSの向き合い方としては「自由時間に使っても構わないが、先延ばしするために使ってはいけない」ということが見えてきます。
そのうえで「先延ばし」が来る「緊張や不安」に対して、対策することで、うまく付き合う方法が見えてくる。
「ストレス」にも同じことが言えますが、まず一歩目として緊張や不安が「悪いこと」じゃないということを知ることが重要です。
この記事でも紹介していますが、ストレスは逃げることは逆効果になるケースが報告されています。
逆に「緊張や不安」というのは、自らが進んでいくことで、軽減されることが分かっています。
この記事ではピッツバーグ大学の研究を紹介していますが、自ら進んで緊張や不安に対して向き合うことで、メンタルが強くなることが報告されています。
なのでまずは緊張や不安というのは、決して「悪いもの」ではないことを知っておき。
そのうえで「自ら進んで向き合いに行く」という姿勢を作ることが重要。
そしてさらに緊張や不安を対処していくのに効果的なのが「リアプレイザル」というテクニック。
これはこのブログでも何度か紹介していますが、簡単に言えば「解釈を変える」というもので。
その効果は科学的にも有効だと報告されています。
なので、リアプレイザルによって、抱えている緊張や不安を先延ばしせず、見て見ぬふりをせず、解釈を変えてあげることが重要。
ここまでを見ていくと、少しづつ浮き彫りになってきていると思いますが、大事なキーワードとなるのは「受け入れる」ということですね。
緊張や不安というのは、逃げようとして逃げられるものじゃありません。
そして無理に逃げようとすれば「現実逃避」となり、SNSなどに逃げ込み、余計に不安レベルを高めてしまう。
そうならないためにも「受け入れる、待ち構える」ということが重要になるということなんですね。
ここら辺をもっと具体的に書籍なんかで学びたい、という人は「ラディカルアクセプタンス」という本があるので、それをお勧めします。
まとめ
ちょっと長くなってしまったので、最後にまとめておくと。
仕事や勉強などでプレッシャーを感じた時にゼッタイにやってはいけないことは「SNS」を使う、ということ。
大切な仕事やプレッシャーを感じる試験の前に、SNSを触る人ほど不安レベルは増加する。
休憩や自由時間に触る分には問題ないが、「先延ばし」や「プレッシャーから逃げる」ためにSNSを利用すると余計にプレッシャーや不安は増加していく。
なので、SNSなどで気をごまかすのではなく、緊張や不安そのものに対応していく必要がある。
その方法というのが、
- プレッシャーなどに対する根本的な捉え方を変える
- リアプレイザル
- ラディカルアクセプタンス
これらに共通するキーワードとして重要なのが「受け入れたうえで対応する」という心構え。
まとめるとこんな感じですね。
ぜひ参考にどうぞ。