今回はタイトルにあるジョンレイティの「脳を鍛えるには運動しかない」を読んだので、まだ読んでいない人のために内容を要約しつつ、感想を書いていこうと思います。
運動=最強
んじゃさっそく。
無駄な前置きは置いていて、この本の結論を行ってしまうと。
タイトルにある通り「脳を鍛えるには運動しかない」っていうのは、この本のメインテーマになります。
要するに運動=最強っていうことが、この本で語られるメインテーマだということですね。
さらに言えば、この本は科学的なエビデンスも豊富にあり、適当に「運動したほうがいい」ということを伝える本ではなく。
「科学的に見てなぜ運動したほうがいいのか?」ということを、解説している本だということ。
僕は運動が人類に与える影響に関しての本を数々読んできました。
この本なんかもそのうちの一つですね。
ただ、これから「運動は体に良いってわかるけど、どんなメリットがあるのか具体的に知りたい」「運動を習慣化したい」っていう人は、この「脳を鍛えるには運動しかない」だけを読めば十分かと思います。
やっぱりその効果効能を知っておいたほうが、プラシーボ効果じゃないですが、恩恵を多く受けられるので、メリットを知っておくに越したことはありません。
こと「運動」に関しては、この本だけで十分で。
そのほかはほぼ必要ないですね。
運動をするとなぜ脳が鍛えられるのか
そのうえで。
さらにこの本の内容に進んでいくと。
「なぜ運動をすることが脳を鍛えるのに効果的なのか」
この部分が疑問になってくると思いますが、ポイントは
- BDNF
- 前頭葉
この2つです。
まずBDNFですが、これは脳由来成長因子と呼ばれる成分で、脳が成長するためや活動を維持していくために重要な成分になってきます。
同じ体の成分で例えるのなら、筋肉を成長させるうえで「たんぱく質」が必要なことは分かると思いますが、脳を成長させるときの「たんぱく質」がこのBDNFに与えると思ってもらって構いません。
それぐらい脳の活動や成長において、このBDNFは重要になってくる成分なんですね。
そのBDNFは運動をすることによって、より分泌されることが分かっています。
BDNFが分泌されることによって、脳が成長するために重要な成分が分泌されるわけですから脳細胞が増えることにつながる、というわけ。
この出来事はジョンレイティ教授の本だけではなく、上記の記事でも紹介していますがイリノイ大学の研究なんかでも明らかになっています。
なので、脳が成長するために必要な「BDNFが運動することによって分泌される」とまずは覚えておいてください。
次に前頭葉。
この前頭葉ですが、名前ぐらいは聞いたことがあるかと思います。
要するに、脳の前のほう、オデコあたりにある脳の部位の一つですね。
運動することによって、この前頭葉が成長するという風に言われています。
この前頭葉というのは、いわゆる「集中力」や「記憶力」といった力を司っているといわれています。
つまり運動することにより、前頭葉が刺激され、成長するため「集中力や記憶力」が培われていく、ということが言えるわけなんですね。
僕らのあらゆる力は、すべて「脳」が支配しているといっても過言じゃありません。
その脳が成長する、ということは、集中力や記憶力、メンタルや自律神経など、あらゆる個所に影響を与えるわけで。
その脳が成長をするために重要になってくるのが「運動」ということなんですね。
脳が鍛えられると引きおこるメリット
では続いて。
先ほども少し触れましたが、脳が鍛えられるとどういったメリットがあるのか。
まずは先ほども紹介しましたが「集中力や記憶力」が上がるということ。
このロジックを解説していくと。
集中力や記憶力は前頭葉が大きくかかわっている、という風に言いました。
これは「長期的な目線」での成長にもかかわっていますが、「短期的な集中」にも大きく運動はかかわってきます。
前頭葉が成長するということは、筋肉と同様に「ある程度の時間」が必要になります。
とすると「ちょっとモチベーションが続かない」と感じる人もいるかと思います。
ただ運動における集中力は「やった瞬間」から上がることが分かっています。
それは5分間の短い運動、軽い運動でも十分で、その直後から「集中力」が上がることが分かっています。
どういうことか。
運動をすることによって、新派機能が高まり、より酸素を脳に供給するようになります。
僕らは息を止めると脳が活動できなくなる(ブラックアウト)ことからもわかる通り、脳は「酸素」を栄養源として活動しています。
この栄養となる酸素が多く脳にいきわたることにより、集中力を発揮することができます。
つまり運動をすることによって、酸素がより多く脳にいきわたるため、「集中力が上がる」ということが言えるわけです。
しかもそれは「運動した直後」から実感できるため、「短期間」でも効果がある、ということ。
長期的にも成長するうえ、短期的にも運動は効果的、ということなんですね。
さらに運動をすることにより、「ドーパミン」という物質が放出されます。
これは快楽であったりモチベーションであったりを司る脳内物質といわれています。
このドーパミンが出ることにより、やる気やモチベーションといった感情をコントロールすることにもつながるので、仕事でいう生産性や学生でいう勉強などのやる気を底上げしてくれることにつながってくるわけです。
心の安定も
また、運動をすることにより「メンタルの安定」を図ることも期待されています。
というのも、メンタルが安定していない状態というのは、いわゆる「感情の起伏が激しい状態」のことを意味しています。
この感情の起伏が激しいというのは、「自律神経の乱れ」からきているといわれています。
「自律神経が乱れている」という言葉を聞いたことがあるかと思いますが、これは要するに「オンとオフ」のスイッチがうまく作動していない状態で。
この状態にあると、怒りっぽくなったり、落ち着かなかったり。
そういった心の不安定さを生み出します。
なぜこういった状態になるのかというと、自律神経とは「交感神経」と「副交感神経」との2つから成り立っていて。
このスイッチが乱れると「休みたいのに、脳が休まらない」ということや「仕事は休みだが、心は仕事の状態」というように「休息」することができずにいたりします。
変に汗をかいたり、リラックス状態にあるのに心臓がバクバクしていたりするのは、この自律神経が乱れていることが原因で、メンタルが安定していない状態を指します。
要するに、「自律神経が整う=メンタルが安定している」と言い換えることができる、ということですね。
そのうえで、運動をすることによって、この自律神経を整えられることが分かっています。
つまり、運動をすることによってメンタルが安定する、ということ。
それは自律神経の乱れが整い、交感神経と副交感神経とがうまく作動するようになるので「オンとオフ」とのうまく切り替えられるためです。
このように、様々なシーンにおいて「運動」というのは、僕ら人間に大きな影響をもたらしてくれるんですね。
だからこそ「運動はするべきだ」というこの本の主張が成り立つわけです。
感想レビュー
ここまでで、ざっくりとではありますが、この本の内容を要約してきました。
結論は変わらず。
「運動は絶対に習慣化したほうがいい」ということや「脳を鍛えるのには運動が最適」ということが結論で。
本書の中で「運動が人体に与える影響を科学的根拠を用いて解説」しているわけです。
そしてここからがこの本を読んだ感想を書いていこうと思いますが、冒頭で伝えた通り。
僕は数々の「運動」に関する本を読んできました。
そのうえで、もし仮に運動の効果を知り「少しでも動こうかな」って思える人にとっては、運動に関する本はこの1冊だけで十分といえるでしょうね。
興味があれば、そのほかの本を手にとってもいいですが、基本的に書いてあることは同じです。
むしろこの本からインスパイアを受けて運動を始めた人が書いてるんじゃないか?って思えるぐらい効果は同じ。
だから、この1冊で十分。
また科学的エビデンスも豊富なので、「本当に効果あるのかな?」と思える人にとっても納得できる内容かと思います。
ただ一個ネックな部分があるとすれば、効果やメリットが豊富に書かれているので、本を読んでいる最中に迷子になる可能性があること。
あとは外国人著者なので、ちょっと日本語訳が分かりづらいっていうポイント。
(これは外国著書にはあるあるなので、この本が特段ダメということではない)
ここが少しネックになる部分かなと思います。
やっぱり日本人が書いていると、読んでいる最中で「語りかけてくれている」かのように本が読めます。
やっぱりこっちのほうが読みやすいんですよね。
一方で外国人著書の場合は、硬い文章だったり、例え話が外国の文化で例えられていたりするので、理解が難しかったりするときもある。
そのうえで、「これでもか」ってぐらいメリットとエビデンスが盛り込まれているので、「読んでいて迷子になる」可能性が出てきます。
これが挙げるとすれば唯一のデメリットですかね。
だから、本としておすすめできますが、本当に大切なことは「運動を習慣化すること」なので、このブログをここまで読んで、メリットを理解できたのなら買わなくてもいいかもしれません。
(まだまだ伝えられていない部分があるので、買って読んでも全然損はしません)
忘れてはいけないのは、「行動=運動」だということですね。
ここだけは忘れないでください。
この「脳を鍛えるには運動しかない」という言葉の本当のメッセージは、本を読むことで満たされるものではないですからね。
ぜひ参考にどうぞ。