今回はタイトルにある通り。
「完璧主義」に関して、面白いことを知ったので、それをシェアしておこうと思います。
タイトルでも結論を伝えていますが、完璧主義っていうのは成功しずらい傾向にある、ということが分かっています。
さらに言えば。
この「完璧主義」という考え方を年を重ねても抱えている人は、より成功しづらい傾向にある、ことが分かっています。
なので、できることなら「完璧主義」というものを、なるべく若いうちから改善しておくことがおすすめです。
完璧主義の定義
ではまず、「僕は完璧主義者だろうか」って悩む人もいると思うので、完璧主義の定義から。
基本的に完璧主義というのは、2通りのパターンがあります。
それがネガティブな完璧主義とポジティブな完璧主義。
この2つの大きな違いは「解釈」にあります。
まずポジティブな完璧主義ですが、目標を定め、それに向かってまい進したとき。
「さらに上へ」と目指していきます。
そして、その目標が達成できなかった場合に、「何が足りなかったのか?」というところに着目します。
一方でネガティブな完璧主義というのは、目標へまい進したとき。
それが達成できなかった場合に「ミス」のほうに着目し、「完璧にできなかった自分はダメな人間だ」という風に解釈してしまいます。
どちらも完璧に物事を遂行したいという意思に変わりはありませんが、「目標達成できたか否か」の場合に「価値がない」と解釈してしまうのがネガティブな完璧主義で。
「何が足りなかったのか」を冷静に分析し、そこから「どうやれば目標達成できるのか」という分析、解釈をできるのがポジティブな完璧主義者の違いです。
これは似ているようで全然異なったマインドで。
この2つのパターンの完璧主義があることをまず理解しておいてください。
完璧主義は成功しづらい傾向にある
そのうえで、結論にあった「完璧主義は年齢を重ねるたびに成功しづらくなっていく」という部分を解説していくと。
これはダルハウジー大学が行った研究がもとになっていて。
ダルハウジー大学が行ったメタ分析において、過去77件の論文を調査し、15~49歳の人たち、およそ2万5千人を対象に調査が行われました。
この結果、1990年代から完璧主義者の人が急増していることが、まず一つ目に判明しています。
そのうえで、この研究は25年間という長い期間を調査していっているわけですが、「完璧主義」という性格を年を重ねてからも抱いている人は、成功しづらい傾向にあることも、同時に判明しています。
つまり、なるべく早い時期から「完璧主義」というものから脱却しないと、年を重ねてからは「完璧主義」という感覚を抱き続けていては「ヤバイ」ということなんですね。
なぜ完璧主義は成功できないのか
ではなぜ。
中高年になってからも完璧主義な人は成功しづらいのか。
これは2つの要因がかかわっているとされています。
まず1つ目が「メンタルの弱さ」
実は完璧主義な人というのは、総じて「メンタルが弱い」傾向にあることが分かっています。
その証拠に。
完璧主義というのは、届かない理想を追い求めるわけですが、「届かない理想」を追い求めたとしても大半が目標へはたどり着きません。
その結果引き起こることは「自己否定」です。
この自己否定に関して、上記記事で詳しく解説していますが、ザルツブルグ大学の研究では「脳が縮む」という研究結果が出ています。
当然メンタルといっても「脳機能の一部」、具体的には前頭葉がその機能を担っているとされているため、脳が縮めば前頭葉の機能が弱くなり、メンタルへの悪影響は避けられない。
つまり、完璧主義はメンタルが弱くなる傾向にある、ということなんですね。
さらに脳が縮むことと同時に「インポスターシンドローム」という症状にかかる恐れもありません。
インポスターシンドロームとは、簡単に言えば「自分を受け入れられない」というもので。
特徴は
- 年収が低い
- 未来に悲観的
- 集中力が低い
- 昇進率が低い
これもザルツブルグ大学の研究によって明らかになっています。
要は完璧主義であるがゆえに、自分を受け入れられずに、脳が縮み、メンタルが弱い。
こうした特徴を持ってしまうケースが多い、ということなんですね。
続いて完璧主義であるがゆえに「誠実性を失う」ことが考えられます。
この誠実性は「嘘をつかない」とか、そういったニュアンスではなく。
「コツコツと物事を進める」という意味の「まじめさ」というニュアンスで。
完璧主義であるがゆえに、完璧な計画を立てようとします。
ただ、完璧な計画なんてこの世に存在するはずもなく。
ずさんな計画なため、計画に満足できず、完璧主義者は無計画なままやみくもに進みます。
となると、当然進捗状況は確認できず、「コツコツと物事を進める」という誠実性は失われていきます。
そのため、中途半端な状態で物事を投げ出したり、すぐにあきらめたりすることにつながるため、完璧主義者は成功しづらいわけです。
中高年がさらにその特色を高める理由としては、若いうちであれば性格を変えることはまだ難しくありませんが、中高年にもなると、性格を変えるのはなかなか容易なことじゃなくなっていきます。
「頑固おやじ」という言葉がある通りで。
年齢を重ねれば重ねるほど、考え方は凝り固まっていくため、なかなか完璧主義から脱却できないことが理由だと考えられます。
完璧主義を脱却する方法
ではどうしたら完璧主義を脱却することができるのか。
まず一つ目に大切になってくるのは「成長ゴール」というものを身に着けること。
成長ゴールというものは、上記記事で詳しく解説していますが、簡単に言うと「成長することが目的」という風に認識することで。
その反対が「証明ゴール」とされています。
証明ゴールというのは、証明することがゴールという目的のこと。
完璧主義の人はこの「証明ゴール」である人が大半です。
つまり目標があった場合、その目標に達成することが、自分の能力の「証明」になると考えている。
だからこそ、その目標に達成できなかったときに、能力を証明することができないので、自己嫌悪や自己否定につながるわけですね。
ただ一方で成長ゴールを持っている人は、その目標さえも「成長するために必要なもの」と考えているので、ミスしたりできなかったりしても、「成長するための課題」と考えることができます。
小さいように見えて、実はこれはかなり大きな違いをもたらすことが分かっていて。
緊張や不安感の感じ方が、この2つの解釈によって全く異なってくることが分かっています。
だからこそ成長ゴールというマインドセットに変える必要があるわけです。
そしてもう1つは「セルフコンパッション」というテクニック。
これも有効です。
この記事はポジティブとネガティブに関することを紹介した記事ですが、この記事の後半部分に細かくセルフコンパッションについて解説しています。
というのも、ネガティブな人が無理にポジティブになろうとしてはいけず。
ネガティブな人はネガティブであることを受け入れることが重要だからですね。
そしてネガティブであることを「ありのまま受け止める」
このことこそが「セルフコンパッション」の意味になります。
だからこそ、上記記事でセルフコンパッションについて解説しているわけですが、今回の記事でも大切だと思ったので、紹介しておきます。
そのうえで。
セルフコンパッションをするためにおすすめな方法は、「瞑想」
もうこのブログでは、瞑想の重要性は何度も解説していますが、やっぱりおすすめ。
一応瞑想に関する研究と効果のほどを解説した記事を張っておきます。
つまりまとめると、「今がゴール」という証明ゴールの価値観を捨て、「今からどう成長していくか」という成長ゴールの価値観を身に着け、瞑想をしてセルフコンパッションをする。
これが完璧主義を脱却するうえで重要なこと、ということですね。
まとめ
ちょっと長くなってしまったので、最後にまとめておくと。
完璧主義は90年代以降、増加傾向にあり、中高年になればなるほど完璧主義の影響を大きく受け、成功しづらくなる傾向がある。
その理由は、完璧主義になることで、メンタルへの悪影響やコツコツと続ける誠実性の欠如が考えられる。
そうならないためにも「完璧主義からの脱却」が必要で。
完璧主義を脱却するためには、成長ゴールの価値観に変更し、瞑想にてセルフコンパッションを身に着けることが重要。
まとめるとこんな感じですね。
ぜひ参考にどうぞ。