今回はタイトルにある通り。
「自己否定をすること」に関して、面白いことを知ったので、それをシェアしておこうと思います。
結論から言ってしまうと、自己否定を重ねてしまうと、脳自体が縮んでいってしまい、感情コントロールであったり、集中力の低下が引き起こってしまうので、パフォーマンスも落ちていってしまうってことがわかりました。
なので、なるべくなら自己否定をやめてあげて、自分自身に対して優しくしてあげたほうが、自分にとってもいいってことですね。
その方法ややり方に関して、お伝えしていきます。
根拠
まず根拠から。
これは2014年に行われたザルツブルグ大学の研究が元になっていて。
(※参考文献)
この研究では、被験者に対してまず質問を行なっていきます。
その質問というのが「自責の念にかられることはありますか?」であったり。
「自分自身に対してネガティブな感情を抱くことがありますか?」ということであったり。
いわゆる「自己否定」に関して、質問を行なっていき、自己否定する人とそうじゃない人を見極めていきます。
その後に、MRIを行い脳の状態をチェックしていったわけですが、ここでわかったのは自責の念、いわゆる「自己否定」をする人ほど、脳の大脳皮質という部分の灰白質が少ないことが判明しました。
この灰白質っていうのは、脳の神経細胞が多く集まった場所で、感情コントロールであったり、集中力なんかと関わりがあるとされています。
つまり、自己否定する人ほど脳の細胞が少なくなることによって、感情コントロールが下手になってしまったり、集中力が低くなってしまう可能性が考えられるということ。
要は、自己否定を重ねることで、自分自身を痛めつけて、細胞を殺し、パフォーマンスを自ら下げてしまっているってことなんですね。
理由
続いて。
この灰白質の多さと、自己否定の関係ですが。
基本的にこの灰白質っていうのは、ストレスにめっぽう弱いとされています。
当然これは仕事のミスに対して、上司から怒られたりだとか。
毎日の満員電車の苦痛といったことだったりでも、灰白質は少なくなっていってしまうわけですが、それ以上にタチが悪いのが「自己否定」だったりします。
こういった仕事上のミスであったり、満員電車というのは、その時その瞬間にストレスを感じるもの。
一方で自己否定というのは、常に頭の中を駆け巡る志向のことを意味するので、チクチクと毎時間自分で細胞を壊していってしまっているのと同じことなんですね。
だから、一瞬のストレスよりも自責の念だったり、自己否定だったりの方が、脳細胞へ多大な影響をもたらすので、そのストレスから灰白質がすくなくなってしまい、パフォーマンスが低下するということと繋がるわけです。
解決策
じゃあ、どうしていったらいいのか。
これに関してはシンプルで「ストレスをなるべく与えない」ということが、最善の解決策になります。
これが究極系。
究極系とは言っても、現代の社会においてなかなかストレスと断絶することは難しいもの。
ただこの記事で伝えている通り、ストレスって「捉え方」一つで全く別の効果や放出される成分になることが、科学的にもわかっています。
だから「知る」ということだけでも、意外に対処できるのがストレスなんですよね。
応用方法
その上で。
ストレスに対しての根本的な知識を知ってもらった後に、一番の悪である「自己否定」を止めていくことが重要なわけですが。
この自己否定に関して、科学の中での結論として出ているのが「諦める」という行為です。
そう。
自己否定を無理にやめようだとか、ポジティブに考える、ってことを頑張るのではなく、自己否定を止めるためには「諦める技術」を身につけることが、一番大事だとされています。
「自分をコントロール出来ない人のための自制心を鍛える面白い研究を紹介。」
その証拠に、この記事で紹介している研究では、「自分は自制心がある」とした人ほど、自制心が働かない傾向にあることがわかっていて。
「無理にポジティブに考える」
↓
「理想と現実のギャップに挫折する」
↓
「自己否定」につながる
こういった負のループにつながってきてしまいます。
だからこそ、ある程度できない時もあると認めてあげる「諦める技術」が必要になってくるわけです。
要するに、マイナスな意味での諦めるではなく、プラスの意味で諦めるということ。
有名な言葉ですが、「我々は敗北したのではない。後ろに前進していくのだ」
そんな名言がありますが、まさしくこの思考ですね。
これを科学的に「セルフアクセプタンス」と言うのですが、マインドフルネスと似た考えです。
マインドフルネスとは、完璧主義を捨て、できない自分を受け入れた上で、一歩一歩前に進んでいく。
こんな考え方ですが、「すべてに諦める」のではなく、「できないこともまとめて一旦認める」
その上で、「どうすれば前に進めるのか考える」
この考え方が、自己否定を止める上で重要になってくるわけです。
「【心理学】自分自身の能力や実力を素直に認められない人に襲ってくる4つの恐怖。」
マインドフルネスに関して、この記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
正しいアファーメーションを行う
そしてもう一つ自己否定を止める方法として有効な方法が「正しいアファーメーション」を行うということです。
アファーメーションというのは自己暗示というもので、自分自身に自己暗示をかける方法として有名です。
こうしたアファーメーションという方法は、よく自己啓発本の中に登場してくる概念で「俺はできる」という風に頭の中で呪文のように唱えることで、本当にできるようになるといわれたりします。
ただこうしたいわゆる自己啓発系のアファーメーションは全く効果がないどころか、逆効果になることが分かっています。
これは上記記事でも解説していますが、よく考えてみれば当たり前で、「俺はできる」といったところで、何も努力せずできるようになるといった甘い話はないし、「俺はできると思っているのに、現実はできていない」という脳内処理が施され、余計に自己否定につながる可能性さえあります。
では、アファーメーション自体が全く効果がないかというとそうではなく。
こうした「自己啓発系のアファーメーション」ではなく、科学的に効果が実証されているアファーメーションが存在します。
それは「セルフアファーム」という方法で、このセルフアファームは科学的に効果が実証されている方法です。
上記記事で詳しく解説しているセルフアファームは、実際に科学的に効果が実証されているので、自己否定を止めたいという人はぜひ試してみるといいと思います。
詳しいセルフアファームのやり方は上記記事で詳しく解説していますが、簡単に解説しておくと。
セルフアファームというのは「今まで自分が達成してきたことを思い出す」という方法です。
この「今まで自分が達成してきたことを思い出すこと」の何がいいのかっていうと、上記で上げた自己啓発系のアファーメーションというのは「ありもしない妄想」のようなことを自己暗示として思い込ませようとしていたわけです。
こうすることによって、脳は「そんなわけない」と思い込み、逆効果をもたらしていたわけでした。
ただ一方でセルフアファームの「今まで自分が達成してきたこと」というのは、まぎれもない事実であり、脳のツッコミを受けることはありません。
この脳のツッコミを心理的不協和と言ったりしますが、いわゆる「矛盾」が生じないため、すんなりと受け入れられるんですね。
そして、これまで達成してきたことを振り返ることで、自己肯定感が高まり、自己否定するのを防ぐことにつながる、ということなんですね。
このセルフアファームは、多くの被験者を対象にした実験でも効果が確認されているので、気になる人は上記で紹介した記事を見てみるといいと思います。
まとめ
少し長くなったので、最後にまとめておくと。
自責の念が強く、自己否定する人は、大脳皮質の灰白質が少ない傾向にある。
その結果、感情コントロールや集中力の低下が見られる。
その原因は、灰白質がストレスに弱く、自己否定を重ねることで灰白質を壊していってしまうから。
そのため、自己否定をやめストレスをなるべく与えないことや、ストレスの本質を知り対処する必要がある。
その一歩として「諦める=セルフアクセプタンス」という考え方が重要になる。
また、自己肯定感を高めるためには、セルフアファームという方法が効果的。
まとめるとこんな感じです。
ぜひ参考にどうぞ。