今回はタイトルにある通り。
「独学大全」を読んだので、まだ読んでいない人のためにざっくりと要約していきながら、感想をレビューしていこうと思います。
まず初めに、この独学大全を読んだ感想の結論から言うと、「いいことは書いてある。だけどこの分厚い本の中から実践するとなると、結構骨が折れそう」
というのが率直な感想。
何しろこの独学大全は約800pほどあって、見るからに分厚く重い本。
内容的にはかなり面白く、細かなテクニックも豊富で、すぐにアウトプットできる内容もあるわけですが、いかんせんボリュームが多くて「どこから手に付けていいのか」が分かりづらい仕様でもある。
ただそれを差っ引いても「大全」と銘打っているため、独学のすべてを網羅したかったんだと、著者の意気込みを感じる部分もあります。
なので、今回は「背骨となる部分」を分かりやすく要約していき、道しるべとなるようにレビューしていこうと思います。
どれぐらい勉強すればいいのか
ではさっそくこの独学大全の要約をしていこうと思いますが、まず背骨となるベースの部分として気になるのは「どれぐらい勉強をすればいいのか」
また「どうやって勉強を進めていけばいいのか」
「独学」と銘打っているため、その勉強方法は気になるところでもあり、なおかつ独学の進め方は背骨となる部分のパートになります。
この「どれぐらい勉強をすればいいのか」ということに関して、本書の独学大全で進めているのは、「1/100プランニング」というもので、簡単に言えば「目標となるゴールから100分の1を毎日こなす」ということを1つの指針にしています。
やる気のメカニズム
まずそもそもの話として、やる気のメカニズムを解説しておくと。
やる気というのは多くの人が「やる気が出てから勉強に励む」という順番で行っていますが、多くのビジネス書なんかでも書かれいてる通り「行動するとやる気が湧いてくる」という順番になっています。
やる気が出たらやるのではなく、やるからやる気が出るのである。
こういった順序だということですね。
そのうえで、そのロジックが分かったとしても「やる気が出ない」という場面を思い返していくと、「やるべき方向性は分かっているけど、何から手を付けたらいいかわからない」という「迷い」からそもそものやる気がなくなっていることに気づく。
「具体的にすべきこと」が明確でないと、人間はアクションに移すことが出来ない、ということも同時に引き起こってくるわけです。
1/100プランニング
そこで有益になってくるのが、先ほど挙げた「1/100プランニング」。
これはどういうことかというと、仮に「資格を取ろう」と思って独学を勧めている場合。
その資格勉強をする際に必要になる教材を「100分の1」に分割します。
資格勉強の教材が1000pだとするのであれば、1日10p進めていくのが、この1/100プランニング。
要するに、「資格合格」という大きな目標に向けて、小さな目標を立てていき、一歩一歩進めていくためのテクニックが、この「1/100プランニング」だということです。
このように具体的なアクションを決めることにより、目標がより近く明確にあるため、「迷い」が生まれづらく、かつ1日で達成可能な目標を設定することで、毎日「達成感」を得ることが出来る。
やる気のメカニズムを利用し、そのサイクルをうまく取り入れる方法として「1/100プランニング」がうまく活用できる、ということなんですね。
だからこそ「どれぐらい勉強すべきか?」という問いに対しては、「1/100」というのが1つのアンサーになるわけです。
もちろんこのペース配分に慣れていけば、もっと縮めてもいいですし、逆に1日で終わらない場合は、1/1000、1/10000プランニングと伸ばしていってもいいです。
それは教科やジャンルによって臨機応変に変えることもできます。
どうやって勉強を進めていけばいいのか
続いて、独学と切っても切り離せない関係なのが「読書」。
誰かに聞いて勧めたり、学校に行って教わるわけじゃないのが独学なため、本から学習したり、読書をして理解を進めていくことが必然的に多くなる独学。
となると、読書や本というのは、独学にとって大いなるパートナーになってくるわけですが、その読書について「独学大全」で進めている勉強法というのは「問読」というものになります。
すべてを読破しようとするな
まずそもそも論として、これはビジネス書でも言われていますが、読書を「読破する」というのはまったくもって意味がなく、「自分が知りたいところだけをかいつまんで読書する」ということが重要な読書になってきます。
これは独学大全でも触れられていますし、他のビジネス書においても同様のことが指摘されます。
ただそうはいっても、「なんかもったいない」と感じる人も多いので、このブログで補足をしておくと。
上記でも詳しく解説していますが、ある論文では「16%ほど理解できない本を買うのが一番いい」ということが結論付けられています。
それ以上理解できない割合が増えると、読書によるモチベーションが低下し理解度が低くなることが分かっています。
要するに、1つの本から得られる内容というのは「全体の16%ほど」だいうことで、すべての内容を理解する必要はない、ってことなんですね。
裏を返すと「知らない16%を探す作業が読書だ」と言い換えることが出来るぐらいなものです。
攻略本のように読め
この事実って、僕はあることにすごく似ていると思っていて。
それが「攻略本」。
例えばですが、攻略本って「ゲームを進めていて、迷ったときに開く本」ですよね。
ゲームをする前に攻略本を読み切る人なんていないと思いますし、必要な時に必要な個所開いていくのが攻略本の使い方です。
読書ってこれと全く同じで。
自分にとって大切な所を目次から見分けて、必要な所だけを抜粋して読む、ということで十分なんですよね。
まさに攻略本のように読み進めていくことが重要なわけです。
問読のススメ
つまり、独学大全を初め、様々ビジネス書において「すべてを読み切る必要はなく、必要な所だけを読んでいくこと」の重要性を解いているわけですが、さらにこの読書法を進めていくと。
独学大全では「問読」という読書法を勧めています。
この問読という読書法は、「目次」から自分が気になった部分や知りたい部分から項目をピックアップし、「問い」を作る。
その答えを知るために、本を開き、答えを知ったら「答え」をノートに書いていく。
これが問読で、まさに攻略本のような読書の仕方をテクニック化した読書法が「問読」ということになっています。
本を読んでいくと同時に、何のために読み進めているのかわからなくなり、「自分にとって大切なこと」を見失っていく。
そうならないために、問を作っておくことで、本を読むための目的を明確にして置く。
これが問読です。
これって実際にハーバード大学でも提唱されている読書法にかなり近いものがあって、科学的なエビデンスもしっかりしているものなので、かなり有効的だと思いますね。
停滞期になったらどうしたらいいのか
こうして独学を進めていったとき、必ず訪れるのが「停滞期」です。
その疑問に対し手のアンサーとして、独学大全では「メタノート」を取ることの重要性を描いています。
メタノートとは
メタノートというのは、独学で勉強をしていた時に気づいたことや発見したこと、その時思ったことを書いていく「ノート」のこと。
とかく書く内容は何でもよく、その時、その瞬間を書いていくものがメタノートになります。
例えば、1/100プランニングを勧めていて、「ちょっと大変だ」だとか、「終わりそうにないな」だとか。
今日はちょっとやる気がないけど頑張れた、だとか、慣れてきたから量を増やしていこう、だとか。
何でもよく、その時の気づきや経験して思ったこと、体験などを書いていきます。
なぜメタノートが停滞期に有効なのか
ではなぜこのメタノートを書いていくことが重要なのか。
そもそも僕ら人間のモチベーションを奪う一番の理由が「成長できていない」という実感です。
これはハーバード大学のテレサアマ―ビル教授も提唱していることですが、僕ら人間のモチベーションを作る大きなポイントは「成長しているという実感」にあります。
行動を始めることで、やる気が湧いてくる。
そしてその行動したことにより、成長を実感できる。
1/100プランニングが瞬間のやる気を作るのだとしたら、継続的なやる気を産むのは「成長の実感」なわけです。
停滞期というのは、要するに「自分の成長を感じられない」ことから起こり、自分の成長を感じられないから「やる気が起きない」という負のループに陥るわけです。
そこで必要になってくるのがメタノート。
このメタノートをとっていくことによって、日々の気づきや考えを描くわけですから、自然と「フィードバック」を得ることにつながります。
独学を始めた初期のことをノートを見ることによって思い出したとき、「あの時はこんな初歩で躓いてたな」ということに気づくでしょう。
そうしてメタノートをとっていたからこそ、初期のころからの成長をフィードバックさせて感じられるため、「小さな成長」を実感できるわけです。
事実、このフィードバックの重要性は書籍「ヤバイ集中力」でも描かれていて、その効果はかなり高いことが分かっています。
ゲームエフィケーションという論理にも応用されていたり、「ゲームが死ぬまで続けられる理由」としても上げられているものなので、モチベーションを高める上でメタノートはかなり重要なキーになってくるわけです。
まとめ:感想レビュー
ということで、ざっくりとではありますが、独学大全の背骨となる部分を要約してきました。
少し長くなったので、軽くまとめておくと。
- どうやって独学をすればいい?
→読書がパートナーになり、問読をすることで理解を進める。
- どれぐらい勉強をすればいい?
→ゴールとなるものを数値化して、その100分の1をコツコツ続ける
- 停滞期を迎えた場合、どうしたらいい?
→メタノートをとっておき、その都度見返しフィードバックを得る
まとめるとこんな感じになります。
当然本書の独学大全は約800ページにも及ぶ内容で、かなり分厚く、その分もっといろいろなテクニックが描かれます。
当然ここではすべてを語ることはできないので、重要なポイントと根幹になる部分をまとめていきました。
ここから軽く感想やレビューを書いていこうと思いますが、やっぱり「大全」や「まとめ」っていう類の本はよく売れます。
YouTubeやブログ記事においても、「○○まとめ」とかっていう記事や動画は延びますからね。
ただ、とはいっても、タイトルで釣りたいだけで、内容はまとめられておらず、網羅していないのに「○○まとめ」や「○○大全」という名前の本が売られていたりする。
それは残念ではありますが、この独学大全は名に恥じないぐらい「大全」している。
何かしらの資格を取りたいだとか、予備校なんかに通わずに大学進学をしたい、という人はまず手に取っておいた方がいい本だと思いますね。
ただやっぱり冒頭にも伝えた通りで、「大全」という名に恥じないぐらいのボリュームと内容なだけあって、「覚えきれない」「実践しきれない」という不安と隣り合わせなのも事実。
だから今回は独学の根幹となる幹の部分だけをピックアップして、まとめていきました。
なので、気になる人はぜひ購入してみて、全体を読み通してほしいんですが、その際も「問読」をしながら、「目標の100分の1」をベースに読み進めるといいんじゃないかなと思います。
結構読破するのは大変ですが、おすすめな一冊なので、是非一読しておくといいと思います。