結構面白い論文を見つけました。
結構多くの人が「自分が無能」っていう風に勘違いしていて、そんな自分を好きになれないっていう人が多くいて。
僕も含めてなんですけど、そんな風に思ってしまうこと自体嫌で。
ただ。アメリカのドミニカ大学の研究だと「社会的に成功している人でさえも、およそ70%の人が自分は無能である」と感じているって研究が出ているんですね。
なので、「無能な自分が嫌い」っていう人は、そこまで落ち込む必要はないのか持って言う話を知ったのでシェアしておこうと思います。
根拠
この「無能な自分が嫌い」っていうことを科学的には「インポスターシンドローム」という風に言うそうで。
このインポストターシンドロームっていうのは、本当は優秀で力もあり、スキルもあるのに、「自分は無能だ」って自分自身のスキルや力を認めてあげることができない人のことを指します。
例えば、スキルや能力があり本来は有能なのに、「たまたまうまくいっただけ」だとか、「運がよかっただけ」だとか。
あとは「周りに支えてもらっただけ」という風に、自分の力を正当に評価するのではなく、自分の評価を極端に下げ、自信を持てない状態のことを「インポスターシンドローム」という風に指します。
んで。
多くの人は、自分が評価する以上に無能ではないことが大半。
その人がいたおかげでタスクが終わったり。
プロジェクトを成功することができたり。
でも、自分で自分のことを認めてあげられない。
要するに、スキルや能力に限らず「自分自身」に問題があるケースが多いということですね。
そして、この能力と感情とが反比例しているケースをインポスターシンドロームというわけです。
その証拠として前出した通り、ドミニカン大学の調査では社会的に成功している人でも、このインポスターシンドロームをおよそ7割の人が抱えているという風に発表しています。
特徴
そしてこのインポスターシンドロームの特徴を6つのポイントとして、レディーヤング教授が紹介しています。
もし仮に1つでも当てはまる場合は、本当に無能ではなく、「無能な自分が嫌」というようなインポスターシンドロームに当てはまるとされています。
- なし得た成功は騙して掴んだ
- 無能がバレると思い込んでいる
- 大きな成功を手にしているのに、小さな失敗にばかり着目してしまう
- 本当は自分しかできないことなのに、誰でもできると思い込んでしまっている
- 成功したのは運がよかったからだ
- 他人のアドバイスを、自分への批判だと受け取ってしまう
おおよそこの6つのいづれかが当てはまると、インポスターシンドロームと呼ばれる「有能なのに無能である」と思い込んでしまっている人に見られる症状とされています。
改善方法
じゃあ、実際に「どうやって無能な自分が嫌い」という人が直していけばいいのか。
ジョージアナ州立大学なんかでは、「インポスターシンドロームの人は、失敗を極端に恐れている」という風に発表していることから、「完璧主義」であることが、その大きな原因じゃないかとされています。
完璧主義だからこそ、失敗を恐れるあまり、余計頑張る。
そして行動すれば、当然失敗を起こす比率も上がるため、より頑張ろうとする。
このような行動サイクルだとジョージアナ州立大学では訴えているわけです。
つまり、自分で自分を認めてあげられないからこそ、どんどん自分を追い込んでいってしまうというのが、このインポスターシンドロームの人の行動サイクル。
ですから、解決策として考えられるのは、「失敗に対する捉え方」から改善していくのが吉とされています。
応用方法
まず1つ目にあげられる改善方法は、先ほども出た「完璧主義をやめる」ということ。
失敗に対する捉え方の問題が大きくある、このインポスターシンドロームは「失敗に対する考え方」を変える必要があります。
完璧主義とは、一切の失敗を許さない考え方が元になっているため、どれだけの成功を収めたとしても「1つの失敗」によって全てが帳消しになってしまいます。
ただよく考えてみると、大きな成功と小さな失敗とでは、はるかに大きな成功の方に価値があり、小さな失敗は「成長の過程で生まれたゴミ」にすぎません。
むしろこの小さな失敗があったからこそ、大きな成功を生み出せたわけなので、「ゴミをリサイクル」して作り出したのが「成功」な訳です。
完璧主義に徹してしまうと、100の成功よりも「1の失敗」の方に目がいってしまうため、まずこの完璧主義を捨てるところから始めるのがいいのかなと思います。
完璧主義をやめてみた結果
僕自身完璧主義な傾向が強い人でした。
それは中学ぐらいから今に至るまで、自分のいいところだとさえ思っていたし、妥協せず努力を続けられる性格だとさえ思っていたんですよね。
確かに努力を惜しまずに頑張るのであれば、それは完ぺき主義のいいところといえるかもしれない。
ただそれは裏を返すと、完璧になるまで進めないことを意味していて、行動できないことも多々あった。
しかもこれを見ている人の多くに当てはまると思うんだけど、「完璧主義はだめだから」と知っていても、完璧主義者になってしまうという点。
僕自身がまさにこれでした。
中学時代から今になって、完璧主義はよくないと自覚し、とかく行動してテストしてみる。
その結果からさらにPDCAを回し、よりブラッシュアップする。
でも、結果が出ないときに限ってどんどんと完璧主義に陥ってしまう。
そんなサイクルに知らぬ間に陥っていたのでした。
そんなさなか、今一度上記記事でも取り上げているコロンビア大学のハイディ教授の提唱している「成長ゴール」に目を向けてみました。
成長ゴールというのは、要するに「成長することにゴールを設定する」というところ。
今が一番いい状態なのではなく、成長していくその過程こそがゴールであると。
つまりは「結果ではなく、成長」に目を向けるということですね。
この成長ゴールは、実際に緊張や不安に強くなることも分かっていますし、学生を対象にした研究では成績スコアも向上したことも分かっています。
僕自身の経験でいえば、成績や学業ではないし、テストがあるわけじゃないので、成果として伝えづらい部分があるのは正直な感想ですが、一番プラスだったのはモチベーションが明らかに向上した、という点。
正直完璧主義に陥っているときって、ある意味自分が追い込まれているときで。
八方ふさがりだからこそ、活路が見えず、何かやろうにしてもデータが足りない、といった感じだった。
だけど、成長することがゴールだとみる視点を変えたら、少しづつモチベーションがわいてきて、やる気がぐんと上がったのを覚えています。
この完璧主義をやめるというのは、簡単なことではないですが、やめるために「結果ではなく、自分自身の成長」に目を向けるとやめやすくなると思います。
事実ペンシルベニア大学の研究でも、仕事に対するモチベーションというのは「自身の成長」によるところが大きいという研究も出ていますし。
応用方法2
もう1つがセルフコンパッションを高める方法。
「心理学では無理にポジティブになろうとしては絶対にいけない理由。」
この記事でも詳しくセルフコンパッションを高める方法を書いていますが、要するにセルフコンパッションとは「自分自身を受け入れる」ことをベースにした考え方です。
そもそもこのインポスターシンドロームの原点は「自分を受け入れる」というところがベースになっていて「成功しているのに自分を受け入れられない」から、無能だと勘違いし、感情とスキルとが反比例してしまう現象。
だからこそ、「ありのままの自分を受け入れる」という視点から改善していくのも1つの方法なわけで、そのありのままの自分を受け入れるというのが、まさしく「セルフコンパッション」の考え方です。
上記記事で、自分を受け入れるための方法を4つ挙げているので是非参考にしてみてください。
セルフコンパッションを高めてみた結果
僕自身のセルフコンパッションの高め方として一番採用しているのが、瞑想です。
上記記事でも伝えていますが、メンタルや精神面なんかに大きな影響を与えるのが瞑想です。
ちょうどこの上記記事の内容や、各論文を見て瞑想の効果を知ってから今まで、瞑想を習慣化してきました。
その結果どうなったのかというと、「切り替えの早さ」がぐんと上がった体感がありますね。
多くの人って「メンタルが強い」っていうことを「何も感じない人」だと勘違いしてしまうんですよね。
でもそうじゃなくって。
本当にメンタルが強い人というのは、「切り替えの早さ」です。
何を言われても動じなかったり、何も感じないというのは、それは人間じゃなくロボットですからね。
要は、何か嫌なことがあっても、すぐに気持ちを切り替え自分のルーティンや習慣を崩さず、一定のパフォーマンスを上げる。
それこそがメンタルが強い人なんですよね。
んで。
瞑想をすると、集中がすぐに別のところに行く感覚があります。
慣れてないと特にですね。
腕がちょっと乾燥してきてかゆくなったり、化粧水がちょっと垂れてきたり。
(風呂上がりにやるので)
そうしたちょっとした気の散る現象から、また呼吸に意識を戻していく。
つまりこれって「切り替えの練習」になっているんですよね。
そう考えるとかなり瞑想の効果はあったのかなって思いますし、今でもずっと続けているということが大きな証拠になるんじゃないかなって思います。
ホモサピエンスを描いたハラリ教授なんかは1日2時間ぐらいやるそうですが、それは無理だとしても個人的にはこれからも続けていこうと思ってますね。
受け入れる力が上がった
あとセルフコンパッション的につけ加えておくと、かなり「受け入れる力」が上がったなって感じますね。
嫌われる勇気を読んだ人ならわかると思いますが、「課題の分離」という定義が出てきますよね。
要するに、「自分にできる範囲」と「自分にできない範囲」を明確に分けることを課題に分離といいます。
例えば、帰宅しようとしたら雨が降ってきた日があるとして。
雨をやませたりすることはできないけど、傘を持って行ったり、途中コンビニで傘を買ったり。
「自分にできない範囲=雨をやませる」「自分にできる範囲=傘を買う、バスを利用する」
こういう風に言えるわけです。
そのうえで、多くの人は「自分にできない範囲で悩み続けてる」と嫌われる勇気では伝えています。
だからこそ、課題を分離して、「自分にできる範囲で対応する」ことが重要なんだ、と。
雨が降って天気が悪いことを嘆くのではなく、天気が悪いのなら傘をさして帰ろう、と考えることが重要だと。
そのうえで瞑想でセルフコンパッションが高まっていくと、雨が降ってどうしようもないことをさほど大きくショックとして感じなくなりましたね。
「もうしょうがないじゃん」と受け入れる力が上がったような気がします。
それは天気だけじゃなく、仕事としてうまくいかなくて損を被ったとしても、「運って要素が大きく成功には影響しているから、今回は仕方ないね」と許容できる範囲が広がった感じがします。
当然、なぜそうした失敗が起きたのかは分析するし、改善を図り次に同じ失敗を使用には対策しますが、人間だれしも「自分にできない範囲で起こったことによるショック」は受ける。
テストの点数は操作できないけど、試験に落ちたらショックは受ける。
採用不採用は自分では決められないけど、入社試験で落とされたらショックを受ける。
こうしたどうしようもできない状態で何か自分にとってマイナスがあったとしても、「今回はしょうがない」と瞑想をするようになってから許容できるようになったなって感じますね。
だから個人的におすすめなのは、きちんと「これは誰の課題なのか」を見極めたうえで、瞑想をし「セルフコンパッション力」を高めていくのがいいんじゃないかなと思います。
かなりインポスターシンドロームへの対応としても効果的だと思います。
応用方法3
あと最後は「客観的に判断してくれる人に相談する」というのも無能な自分が嫌だと勘違いしてしまっている人に有効な方法だと思います。
この無能な自分が嫌というのは、往々にして「本当は有能である」ことが多いことは前出した通り。
ただ、自分が客観的に見えてないことが原因で、「逆えこひいき」を自分にしてしまっていることが原因です。
つまり、客観的に判断してくれる人に評価を仰ぐことが、このギャップを正してくれる方法になるということ。
信頼できる友人に聞いてみるもよしだし、尊敬できる上司に相談するもよしだし。
自分という人間を、自分一人では客観的に判断できないものです。
つまり「無能である」ことは、自分では判断できないということ。
だから客観的に判断できる「信頼できる他人」に評価をしてもらうことで、「正しいジャッジ」をもとに、再評価を下すことができるというわけです。
他人に判断してもらった結果
これも僕自身実際にやってもらいました。
まあ直接「俺って無能かな?」ってきくことはしなかったんですが、客観的に自分がどう見えているのか、ということを聞いてみたんですね。
そしたら、まあ自分が思っている自分と、人が思っている自分というのは、大きく乖離していることに気づきました。
例えば、僕はめちゃくちゃ普通な人間だと思っていたんですね。
学生の頃。
成績も普通だったし、運動もそこそこできたぐらい。
なんか歴史の授業で学ぶような人って、小さいころから何か発明していたり、中学の時に大学に入学するほどの学力があったりって聞かされていたし。
それは極端にしろ、周りの学生に比べてもそんなにとびぬけたようなものはない気がしていました。
ただ、友人曰く「かなり変わっている」という風に見えていたらしく。
「何かしらをやる」と決めたら、絶対にやるまで折れないし、決めたことをやり抜く時には、執念みたいなのをすごく感じると。
「自分にルールを化して、そのルールを守るという点では、僕は絶対にまねできない」と友人に言われました。
僕自身では全く自分に厳しいなんて思ってなかったし、なんなら自分に甘い方だとも思ってました。
そのギャップっていうのはめちゃくちゃ意外でしたね。
人が見ている自分と自分が見ている自分は違う
あと言われたのは「メンタルの強さ」でした。
まあこれは上記で伝えた瞑想などを取り入れているという部分もありますが、「メンタル強いよね」という風に友人から言われました。
ただ僕自身は全く自覚はなくて。
どちらかといえばメンタルや精神面はめちゃくちゃ弱いと思っていました。
だからこそ、瞑想を取り入れたり野菜なんかを食生活に入れたり、朝の運動を入れたり、いろいろと習慣化させてきたわけです。
運動の参考記事なんかにも書いてますが、今でもこの運動は続けてます。
(最近はよりハード目な運動にレベルアップしていますが)
つまり、自分自身はメンタルが弱いし、精神的に強くないから、こうした工夫や努力を積み重ねていた自覚があった。
でも、友人から見てみると「もとからメンタルが強かった」という評価だったんですね。
これはうれしいという反面もあったんだけど、意外という面の方が強くて。
人から見ている自分と自分が見ている自分って、こうも乖離しているもんなんだって、勉強になりました。
自分が無能であるだとか、インポスターシンドロームの傾向にあるとか、そういったことを抜きにしても結構楽しめると思うし、かなりの認識のギャップに驚くと思うので、試してみるといいかもしれません。
まとめ
インポスターシンドロームの改善方法
- 完璧主義を捨てる
- セルフコンパッションを高める
- 信頼できる他人に相談する
まとめるとこんな感じです。
最後の方にも触れましたが、人間とは自分自身を客観的に判断することはできません。
つまり、「自分は無能である」ということを、自分自身では判断ができないということ。
本当は周りから認められ、能力が高いのにも関わらず、「スキルがない」と思い込んでいるのも、同様です。
そして、本当の意味で「客観的に」判断して、自分を認めてあげられるようになってくれば、自然と治っていくことかと思います。
是非3つの方法を試して行って欲しいと思います。