今回はタイトルにある通り。
「1日が早く感じる」ということに関して、面白いことを知ったので、それをシェアしておこうと思います。
まず解決策としての結論を先に伝えておくと。
- 新しいことをチャレンジする
- 運動をする
- 脳にいい食事をきちんと取る
この3つをすることによって、1日を長く感じさせ、有意義に1日を過ごせることがわかっています。
ぜひ1日が早く過ぎていってしまい「今日何にもできていないな」って憂鬱な気分になってしまう方は参考にしてみてください。
歳をとると脳の処理速度が落ちる
まずは根拠から。
これは2019年にデューク大学が行ったレビュー論文が元になっていて。
「Why the Days Seem Shorter as We Get Older」
この論文では、脳と視覚処理に関して研究が行われました。
簡単に言えば、「人が物を見たときに脳がどう言った処理を行なっているのか」
こう言ったことを調べていったわけですが、面白いことが判明しました。
というのも、人間というのは、1つのものを見つける前に「サッケイド運動」と呼ばれるものが行われています。
(ごめん。英語の論文なので、漢字が合っているかわからなんw)
このサッケイド運動というのは、細かく眼球が振動している状態のことで、1つのもの見ているときにでも、細かく眼球が動いていることがわかっています。
そのサッケイド運動が行われた後「固視」という状態になります。
この固視というのは、要するにピントが合う状態。
つまり、「サッケイド運動→固視」という順番で、みる物を選別し脳に情報を送っているわけですね。
その上で。
目で見た物をイメージ画像として、情報を脳に送り込むわけですが、歳を取るごとに、「脳の処理速度」が遅くなっていることがわかりました。
このせいで、「1日が早く感じる」という現象が起こるのではないか?ということが、デューク大学の論文では報告されているわけです。
1日が早く過ぎる理由
続いて。
脳の処理速度が年をとることによって、落ちる。
それがなぜ「1日が早く過ぎる」ことにつながるのか。
ここを解説していくと。
映像や動画の世界にいる人なら知っているかと思いますが、動画には「フレームレート」というものが存在します。
このフレームレートというのは、1秒間に何枚の写真を撮るのか?ということを決める値で。
動画というのは、パラパラ漫画のように、静止画を何枚も撮って、それらをつなぎ合わせて「動画」というものが出来上がっています。
1秒間に24枚の写真をとるのであれば、24フレームとなり。
1秒間に120枚の写真を撮るのであれば、120フレームとなるわけですね。
よく映画なんかは、24フレームと言われていて、それは人間が見ている世界と似ている映像を作れる、ということで24フレームや30フレームがよく使われていたりします。
ちょっと脱線しましたが、話を元に戻すと。
脳の処理速度が落ちるということは、このフレームレートが落ちるということとすごく似ていて。
120フレームであれば、1秒間にかなりの枚数の写真を撮るので、滑らかかつ、「濃厚」な時間を過ごしていると脳は感じます。
一方で10フレームしか脳が処理できなければ、本来1日が120フレームあったのに10フレームしか感じ取ることができず、「今日は何もなかったな」と喜怒哀楽を感じることもなく終わっていってしまう。
こうした違いが生まれてしまう。
歳をとると1日が早く感じる、というのはこういった脳の処理速度が影響しているということが、言われているんですね。
1日が早く過ぎる理由2
さらに、この「脳の処理能力の低下」以外にも別の理由も考えられていて。
もう1つ挙げられているのは、「ホリデーパラドックス」という概念で。
これは小さい頃は1日が長く感じますが、それは「新鮮な感情や新しい発見」が常にあったからということがわかっています。
これをホリデーパラドックスというわけですが、歳を重ねるとルーティンワークが全てとなり、新しいチャレンジや新鮮な感情というのは芽生えづらいルーティンを形成しがちです。
ルーティンワークとなり、流れ作業になると、脳は「自動運転」と同じで、あまり起動することなく省エネで活動するようになります。
子供の時は近所の道でも「冥界へさまよう道かも」と新鮮な気持ちで、散策していたわけですが、大人になれば何も考えずに家に帰られるようになる。
なんなら誰かと電話しながらでも帰れる。
こうしたことからホリデーパラドックスが生まれ、1日が早く過ぎていく、といいう感覚にさいなまれていくわけです。
上記記事でも触れていますが、「マルチタスク」の概念と似ていて。
マルチタスクは1日の密度を下げ、生産性を下げることがわかっています。
流れで自動で1日が過ぎていくというのは、似ていることが言えるのかもしれません。
1日が早く過ぎる理由3
そしてもう1つ考えられるのは「代謝」の問題。
これは至極簡単な話で。
子供の頃は代謝が高く、大人になると代謝が落ちていきます。
こうすることで何が起こるのかというと。
代謝が高いこどもの時というのは、休むことなく動き続け活動を続けます。
一方で代謝が落ちると行動が少なくなり、活動が減少します。
行動が多く、1日の密度が高いと、当然「今日1日が長く充実した」と感じます。
一方で行動が少なく、1日の密度が低いと「今日は何をやっただろう、すぐに1日が去ってしまった」と感じます。
この充実度が、代謝によって変わってきてしまうため、1日が早く過ぎるのではないか、と考察する研究者も多くいます。
つまりまとめると、
- 脳の処理速度が低下する
- ホリデーパラドックス
- 代謝が落ちる
この3つによって、1日が早く過ぎていく、という感覚に陥るわけですね。
1日を長く充実したものにさせる方法
では最後に。
どうしたら1日を長く充実させることができるのか。
これを解説していくと。
ヒントとなるのは、上記3つの理由です。
これらを1つ1つ解決していくことによって、長く充実した1日を過ごすことにつながっていくと考えられるので、上記3つの理由を潰していくのが有効な対策になり得ます。
一つ一つ見ていくと。
「代謝が落ちる」
このことに関していえば「代謝をあげる」ことによって、対応ができます。
簡単に言えば「運動する」ということにつながるわけですが、お勧めなのは「HIIT」と呼ばれるトレーニング。
上記記事にHIITに関して詳しく解説しているので、効率的に運動をしたい場合は、上記記事を見てみてください。
そしてこのHIITというのは「脳の処理速度を上げる」ということにもつながってきます。
上記記事で紹介しているロンドン大学の研究の通り、下半身の筋肉量と頭の良さというのに相関関係があることがわかっています。
このことからも、HIITなどのトレーニングをすることが、脳の処理速度を高めることがわかっているので、運動というのは「代謝」と「脳の処理速度」の2つに効果があることが言えるわけですね。
加えてもう1つ伝えておくと。
脳を鍛えるには「食事」「睡眠」「運動」が最も重要とされていて。
食事に関しては「地中海食」がいいとされています。
この記事で詳しく解説していますが、いわゆる魚などを豊富に取った食事ですね。
睡眠に関してはこの記事なんかが詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
そして最後に、「ホリデーパラドックス」
これに関しては、「新鮮な体験」つまり「新しいことへのチャレンジ」を増やすことが、解決法になりそうです。
毎日を惰性で送らず。
何かしらに挑戦する。
子供は毎日のようにこのことを行なっているので、1日を長く充実したものにしているわけです。
ただ。
「何か新しいことにチャレンジするのは怖い」と感じているのであれば、下記記事に効果的な心理療法を紹介しておくので、参考にしてみて下さい。
まとめ
少し長くなってしまったので、まとめておくと。
1日を長く充実させるためには
- 新しいことをチャレンジする
- 運動をする
- 脳にいい食事をきちんと取る
この3つが重要。
ホリデーパラドックスにより、惰性で何も考えることなくルーティンの日々を送ってしまっていることが、1日が早く過ぎ去っていく原因の1つとなっている。
これを解消するには「新しいことにチャレンジする」ことが大切。
また、代謝が悪くなることにより、1日の行動密度が低下したことで、1日が早く過ぎ去る感覚に陥る。
これを解決するには、「代謝を高めるための運動」が大切になる。
そして、「脳の処理速度が低下する」ことによって、1日が早く感じてしまう。
これを解決するには、脳の処理速度を高めるための「食事」に心がけ、睡眠や運動をきちんとすることが大切になってくる。
まとめるとこんな感じですね。
ぜひ1日が早く過ぎ去ってしまう、と悩んでいる方は、参考にどうぞ。