人は見返りを求めない方が幸福感が増すことが科学的に判明している件。

今回はタイトルにある通り。

「人は見返りを求めない方が幸福感が増す。」ということが科学的に立証されていることを知ったので、それをシェアしておこうと思います。

僕ら人間というのは、親切にしたことの「お礼」をどうしても求めてしまう生き物で。

誕生日プレゼントを送ってあげたら、「俺の誕生日もプレゼントをくれ」って言うように商業的に考えてしまいがち。

でもそうすることで、脳の活性化が抑えられ、幸福を感じなくなることがわかっています。

根拠

この根拠となるのは、イングランドにあるサセックス大学が発表した論文が元になっていて。

(※参考文献

このサセックス大学が発表した論文では、「親切」に関する優秀な論文36件をメタ分析し、親切にすることに対する人体の影響を調べていきました。

具体的には、1150人の人に対して2つの親切に定義わけし、ファンクショナルMRIを行うことで、「2つの親切」がどう脳に影響を与えたのかを調べていきます。

2つの親切とは、簡単に言うと「見返りを求めない親切」と「見返りを求める親切」

この2つに分けて定義わけし、それぞれ親切を行なった人たちの脳の状態を観察して行ったわけでした。

その結果わかったのは、見返りを求めた親切を行なった人というのは、脳の活性化が見られず、あまり幸福感を感じるに至らなかったという点。

逆に見返りを求めず親切を行なった人というのは、脳の多くの部分で活性化が見られ、より幸福感を感じていることが判明しました。

つまり、僕ら人間というのは「見返り」を求めた親切を行うと、「幸福感が下がり」、「見返り」を求めない親切を行うと「幸福感が上がる」ということがこの研究より判明したことでした。

理由

この「見返りを求めない方が幸福感が高まる」ということに関して、多分多くの人がなんとなくその理由に関して把握しているかと思います。

実際に「見返り」を求めて行なった親切というのは、親切なことを行なった裏で「いつお返しが帰ってくるか」と利己的に物事を考えてしまっている。

そこでもし仮に見返りが帰ってこなった場合、「なぜあいつはお返しをしないんだ」と復讐心にかられることになります。

そうなると、親切が復讐心を引き起こすトリガーとなってしまうため、当然幸福感が低くなっていってしまう。

その後に「あの時はありがとうな!これお返しさせて!」と友人が言ってきたとしても、その時はすでに「復讐心」に近い恨みを持ってしまっているため、見返りが帰ってきたとしてもすでに幸福感へ繋がることはなくなってしまいます。

一方で、見返りを求めなければ、友人にしてあげた親切のお返しが「帰ってこようこなかろうが」別にどっちでもいいこととなります。

「ただ単に好きだからやってあげた」

そう思うことで、その時点で物事は「完結」しているため、復讐心が芽生えるはずもなく。

幸福感で満たされていくわけです。

つまり、見返りがあった時点で完結する親切なのか、それとも親切にしてあげた時点で完結するのか。

これで脳の活性化に大きな影響をさえも与えてしまう、ということなんですね。

ですから、なるべく親切にしてあげるの場合は、「見返りを求めてはいけない」ということが言えるわけです。

応用方法

んで。

この論文を見た際に、もう1つのことが言えるんだなって感じました。

どういうことかというと、自分が親切にした際に見返りを求めない、ということもそうですが、自分が「親切にされた時」というのも、同時にお返しをしてはいけないという点。

これは見方を変えると「冷酷」ととらえる人もいるかもしれませんが、決してそういうことではなく。

要するに、自分がされた親切をお金や報酬で返していってしまうと、「相手の幸福感」を奪ってしまうことにつながります。

これはビジネス上ではいいかもしれませんが、人間関係や友達関係ですべきことじゃない。

つまり「見返りを求め会う存在」になってしまうわけです。

その上で、相手からの幸福感も取り上げてしまうことにつながるので、「見返りを求め合わない親切」こそが、人間関係で重要になってくるポイントだということ。

これは相手に親切にしてあげた時にもそうだし、親切にされた時にも同様のことが言えるわけです。

そうならないためにも、「報酬」という見返りを渡すのではなく、友人に助けられたのであれば「親切を親切で返す」ということが、相手を幸福感で満たしてあげるためにも重要なことなんだと思います。

逆に、見返りが必要=報酬が必要な手助けは友人に頼むべきではなく、それこそ商業的につながるプロに任せて報酬を渡す方が、明確な線引きができているため、人間関係に亀裂が入ることはありません。

また、見返りを求めないということは、自分を犠牲にしてまでする親切はすべきではない。なぜなら「自分を犠牲にした親切はどうしても見返りを求めてしまう」から。

ということが言えるんだと思います。

試してみた結果

んで。

このサセックス大学の研究を知った後、僕自身で見返りを求めない奉仕行動をいくつかやってみました。

その経験談を伝えていこうと思いますが、結論から言えば「やはり見返りを求めない方が幸福度が高い」っていうことが言えそうだなって思いましたね。

募金

まず一つ目に、見返りを求めない奉仕行動として、僕がやったのは「募金」でした。

そもそも募金って見返りを求めてやっているものじゃないですよね。

最初からその定義はあるものの、僕自身募金をする習慣ってほとんどなかったので、意識的にやってみたんですよね。

具体的にはコンビニに行って、何かしら物を買う。

その時に出たお釣りの数円をレジ横にある募金箱に入れる。

やったことはこれだけなんですけど、見返りを求めていないからこそ、少し気持ちがよく、清々しい気分になる感覚があるんですよね。

「数円で何が変わるんだ?」って思う人もいると思うんですが、実は「募金による幸福度は金額じゃない」ということも知られています。

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上記で解説しているサイモンフレーザー大学の研究において、寄付や金額は金額にかかわらず、幸福と感じる脳内物質が放出されていることが明らかになっています。

だから、僕自身「募金したお金で何か変わってほしい」ということを考えているわけじゃなく、むしろ「自分のために」募金をしていたりします。

まさにこの状態は「他人に見返りを求めない」ということにつながっているし、見返りを求めないからこそ、清々しい気持ちになれるんだと思います。

当然麻薬みたいに「すごくハッピー!!」っ的な感じになるわけじゃないですが、気持ちよく清々しい気分になれることは間違いないと思いますね。

お世話になっている人への差し入れ

この募金以外にも、人に見返りを求めない奉仕行動として僕がやったのは、「差し入れ」です。

具体的には、いつも髪を切ってもらっている美容師さんに、飲み物を買ってあげて持っていくという差し入れ。

(僕のことを知っている人なら違和感だと思いますが、両親の店がなくなってからはほかの人に髪を切ってもらうようになりました。)

やっぱり、美容師の人ってめちゃくちゃ忙しいんですよね。

いつも担当してくれる人は「まだお昼食べてない」と17時ぐらいに言っていたりします。

なので、「元気が出るように」という思いを込めてエナジードリンクをいつも差し入れしています。

エナジードリンクもたかだか、数百円ですが、それでもやっぱり喜んでくれる。

で、僕自身別に見返りを求めているわけじゃないし、いつもの感謝を伝えているに過ぎない。

この関係値だから、素直に自分も喜べるし、清々しい気持ちと一緒にお店をされるんですよね。

こんな感じで、正直あまり効果に期待していなかったんですが、「募金や差し入れ」を経験してみて、「人に見返りを求めない奉仕行動」っていうのは僕らの幸福度を上げてくれるんだなって痛感しましたね。

終わりに

そして最後に。

このサセックス大学の論文だけではなく、「親切にすること」に関して良い影響があることを、様々な論文で発表されています。

親切にしたけど見返りが帰ってこない。

そう思っている人は、ぜひ見てみて欲しい記事たちを紹介して終わりにします。

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こう見てみると、科学的にも人と人は支え合うことで、幸福感を感じるようにできてるんだなーって思いますね。

では。