今回はタイトルにある通り。
「他人の目」に関して、面白いことを知ったので、それをシェアしておこうと思います。
結論から行ってしまうと。
他人の目を気にしすぎてしまう、あるいは他人の期待に過度にこたえようとしてしまうという人はメンタルを病みやすく「自殺率が高い」ということが判明しています。
なので、他人の目を気にしすぎてしまう人は、今すぐに対応が必要です。
根拠
これは2017年にオンタリオ大学などが行った研究がもとになっていて。
この論文では、主にメタ分析を行っているわけですが、過去に行われた完璧主義に関する市tの高い研究54件を集め、解析を行っていきます。
メタ分析というのは、いわゆる論文の論文と呼ばれるもので。
簡単に言えば、論文をさらに解析することをメタ分析といいます。
だからほかの論文よりもメタ分析は質の高い論文とされています。
そうして分析した11747人の人たちを対象に、完璧主義と自殺との相関性を調べていきました。
具体的には、
- 高い基準の仕事のプレッシャーを感じる
- 他人の期待に応えるよう心掛けてしまう
- ミスを恐れる
- 他人にも高い基準を求めてしまう
などなど。
これらを含め、該当される人を完璧主義とし、その完璧主義な人と自殺率との相関性を調べていきました。
するとわかったのは、まず1つ目に完璧主義である人と自殺率との間に相関関係がみられることが判明し、その割合は小程度から中程度で割合でいうとかなり高い確率に上がったという反応が見られました。
これはつまり完璧主義である人は、自殺する割合が高くなるという傾向を示していて。
うつ病や抑うつレベルが高くなる傾向があることが判明しています。
また分かったことの2つ目として。
完璧主義の中でも「他人の目」を気にしてしまう、要するに「他人の期待に応えるよう心掛けてしまう」人というのは、自殺率の傾向が高いことが判明しました。
一方で、一見すると完璧主義にも思える「潔癖症」であったり、「他人にも高い基準を求める」という分野に関しては、自殺率との相関性は低く、そこまでメンタルを悪化させる要因とはなりえないこともわかりました。
つまり何が言えるのかというと。
「完璧主義」というのものが例外を除き、自殺率を高めてしまう傾向にあり、特に「他人の目を気にする」という点においては、メンタルに悪影響を与える、ということがこの研究により判明した、ということなんですね。
なぜ他人の目を気にする人は自殺を考えてしまうのか
ではなぜ。
他人の目を気にする人は、自殺する割合が高くなってしまうのか。
これに関しては様々な理由が考えられていますが、「自由度のコントロール」という点が大きくかかわっているとされています。
この自由度のコントロールというのは、簡単に言えば「選択をどれだけ自分でできているか」ということで。
仕事のスケジュールや進め方など、「自分で決めている」ということが幸福度につながる、ということが様々な研究により証明されています。
この記事でも紹介していますが、誰かに決めたられたことを黙々と行う、いわば「ロボット」的な仕事のやり方というのは、著しく幸福度を下げることが分かっています。
また、上記記事で解説していますがアムステルダム自由大学の研究でも、「自分を犠牲にすることで不幸になる」ということが報告されています。
これはつまり今回の研究でも同様で。
「他人の目を気にする」ということは、他人の期待に応えるように心がけてしまい、さらには「自分を殺す」ということを意味していて。
そうすることにより、幸福度は低下し、メンタルを病みやすくしてしまう、ということにつながるわけですね。
そして「自分を殺す」ということが、本当の意味で「殺す」ことにつながってしまい、自殺率との高い相関性を導いてしまうことにつながっていく。
だからこそ、他人の目を気にしたり、他人の合わせすぎる人は、自殺率が高い傾向にある、ということなんです。
他人の目を気にしなくする方法
では次に。
どうすれば他人の目を気にしなくするようにできるのか。
まず1つ目に考えられるのは「完璧主義」からの脱却。
これを行うことが重要です。
上記記事はダルハウジー大学の研究を紹介していますが、「完璧主義者は成功しづらい」という研究を報告しています。
完璧主義には自殺率のほかにも、様々な障害となるケースが多く。
だからこそ早急に対処が必要。
そのためにも重要になってくるのが、「マインドフルネス」というもの。
いわゆる「自分を客観的に見る」というもの。
これが完璧主義から自分を解き放つのに効果的だとされています。
具体的に言えば「瞑想」なんかはマインドフルネスの1つとして有効だということが分かっています。
この記事でも瞑想の効果を解説していますが、瞑想はめちゃくちゃおすすめです。
ここら辺をもっと追及して知っておきたい、という人なんかは「ラディカルアクセプタンス」という本なんかを読んでみるといいと思います。
この本ではマインドフルネスのことなんかが、かなりわかりやすく解説されているので、ぜひ一度読んでみるのをお勧めしますね。
んで。
瞑想なんかで、少しづつ自分を客観的に見れるようになった後は「成長ゴール」を身に着ける。
これが次に重要かなと思いますね。
成長ゴールに関しては、上記記事で詳しく解説していますが、この言葉の提唱者はコロンビア大学のハイディグラント教授という有名な方が提唱していて。
完璧主義の危険性とともに、成長ゴールの重要性を語っています。
簡単に解説しておくと。
完璧主義というのは、目標やゴールに達成しないと、「価値がない」という風に判断してしまいます。
だからこそ、その目標やゴールに達成しない間はつらいし、大変だし、メンタルに相当負担がかかってしまう。
一方で成長ゴールというのは、目標やゴールに向かうその「道中」にこそ価値があると考えていて、目標やゴールに達成することは「単なる確認」に過ぎません。
だからこそ、ミスを恐れず、プレッシャーにも耐えられ、メンタルを病むことが少ないとされるわけです。
個人的にはこれが結構大きくて。
僕自身もどちらかというと完璧主義に近い人間でした。
なんだろうなー。
目標まで達さないと価値がない、みたいな。
でも途中で気づくんですよね。
「あれ?これおわりがない」って。
というのも、目標に頑張って近づけば近づくほど、「これじゃだめだ」「これじゃだめだ」って当初の目標よりも高くなっていくんですよね。
表現が難しいんだけど、たとえるなら、「子供の時に想像した20歳ってめっちゃ大人だったけど、いざ20歳になってみると、子供のころに想像した大人でもなかった」
みたいな感じで。
年収1000万円ってすごいと思ってたけど、実際に行ってみると「これじゃだめだ」みたいな感じ。
要するに完璧主義って終わりがなく、達成感もないから、常に「自己嫌悪」との闘いなんですよね。
「そりゃ気を病むわ」って、途中から気づく。
でも、確かなのは「去年よりも確実に前に進んでいる」っていう感覚は確かで、「成長」に目を向けると、確かに進んでいることは確実。
その「成長する」ということこそがゴールで、比較すべき基準は他人じゃなくって、過去の自分にこそ基準があるんですよね。
それがまさに成長ゴールであり、他人の目を気にしない、っていうことにつながってくるわけです。
だから「完璧主義」から「成長ゴール」に変えるべきであり、メンタルを病まずに済む大きなポイントにつながってくるわけなんですね。
「自分は完璧主義だと思う」という方は、ぜひこの2つのポイントを意識してみるといいかと思います。
まとめ
長くなってしまったので、最後にまとめておくと。
完璧主義の人は、自殺率が高い。
特に「他人の目を気にしてしまう」という人は注意が必要。
それは他人に支配されることによって、自分の選択ではなく、他人の選択により行動することで、幸福度が低下するため。
他人の目を気にしなくするためには、完璧主義からの脱却が必要で。
そのためには、マインドフルネスおよび「瞑想」をすることと、「成長ゴール」という感覚を身に着けることが重要。
まとめるとこんな感じですね。
ぜひ参考にどうぞ。