今回はタイトルにある通り。
「LIMITLESS 超加速学習 人生を変える「学び」の授業」見たので、まだ読んでいない人のためにざっくりと要約していきながら、その感想をレビューしていこうと思います。
ジムクウィックさんが書いたこの「LIMITLESS 超加速学習」という本。
著者のジムクウィックさんは、Googleやナイキなどの企業はもちろんのこと、国際連合やプロスポーツ選手、さらにはハーバード大学やカリフォルニア大学などへのアドバイスをしている人で。
その人が書いた「限界を変える」というテーマのもと、その方法論を描いたのがこの「LIMITLESS 超加速学習」という本の内容になります。
なので、結論から先に伝えてしまうと、自分自身の限界を超えたい人や今現在何かしらの壁に衝突している人にとっては、かなりおすすめで。
努力の基盤を作ってくれる内容になっているので、一読しておくといいと思います。
人の限界は突破できるのか
まずそもそもの話として。
「限界は突破できるのか」
こうした部分が気になるポイントに上がります。
よく聞く「天才」や「才能」という言葉。
これは限られた人にだけ該当し、凡人にはたどり着けない境地であり、だからこそ凡人は凡人のまま終わっていく。
そんな思い込みがだれしもにあります。
要するに言葉を言い換えれば「一般人には限界は超えられない」という一種の固定概念。
ただ筆者のジムクウィック氏は、「誰であっても限界は突破できる」という風に主張します。
その証拠としてロンドンのタクシー運転手を対象にした研究をピックアップして、その根拠として提示します。
実際ジムクウィック氏が証拠として挙げている研究をこのブログでも以前紹介したことがあって、リソースもとはほとんど同じものを記事にしています。
上記記事で詳しく解説していますが、簡単にこの内容を解説するとロンドンのタクシードライバーを対象にして行われた研究において、「ドライバー経験が長い人ほど、空間把握をする脳の部位が活性化していた」ということが明らかになっています。
経験が長いということは相対的に「年が上」ということになります。
そのうえで、「年齢が高い人のほうが、空間把握能力が高い」ということは、「運転経験によって、能力を飛躍させた」ということが言える。
つまり、才能や遺伝ということで限界が決まるのではなく、「行動」によって限界が変わった、ということが上記の研究から明らかになったということなんですね。
才能や遺伝など生まれつきで決まるのなら、年齢や経験によって変化するというのはありえない話ですから。
もちろん「IQ」などの数値や遺伝が大きく影響しますし、生まれつきに決まっている部分も多くあるのが事実ですが、それと同等に「努力によって変えることが出来る範囲」もあるというのが、同じぐらい事実としてあるわけでs。
これは言い換えると「誰しもが自分を変えることが可能であり、限界を突破することが出来る」ということの一つの証明につながる、ということ。
この説明を通して、「LIMITLESS」は話が展開されていきます。
限界を突破するために必要な3つの要素
では誰しもが限界を突破することが出来、人生を変えることが出来る、ということが分かったうえで次に気になるのが、「どうしたら自分を変え、限界を突破することが出来るのか」という部分。
この本のタイトルでもある「LIMITLESS」というのは、「限界がない」という意味ですから、この章から本題につながっていくわけですね。
その「限界を突破するための3つの方法」として重要だとジムクウィック氏が提唱するのが以下の3つです。
- マインドセット
- モチベーション
- メソッド
この3つです。
それぞれに、ある種の「固定概念」が存在し、自分自身によって「足枷」をつけている状態であると。
裏を返すと3つのポイントを理解することが出来れば、自分の限界を突破し、成長していくことが可能だとジムクウィック氏は提唱しています。
マインドセットを変える
では順に解説していくと。
まず1つ目のマインドセット。
これは多くの人が最初に躓く部分ですが、冒頭にも伝えた通り「遺伝や才能で人生が決まる」と多くの人が誤解しています。
これは裏を返すと「自分の手によって人生を変えることはできない」ということを意味していて、一つの固定概念を形成してしまっている。
これに関しても本書の内容から少し外れますが、研究者が研究してくれているんですね。
具体的には上記記事で解説していますが、ハイディグラント教授というコロンビア大学の人が書いた本で、「成長マインドセット」と「固定マインドセット」というものに人は分けられることが分かっていて。
簡単に解説すると、両者において「同じテスト」をしてもらったところ、成長マインドセットを持っている人のほうがプレッシャーやストレス、失敗に対して強いことが判明しています。
成長マインドセットというのは、「成長することが出来る」と思っている価値観の人のことを指し、固定マインドというのは人は変わらない、と思っている価値観の人のことを指します。
この人たちのカテゴリーというのは「思っていることの価値観」を指すので、「その人がどうか」という真実は全く別な話なんですね。
つまり何が言いたいのかというと、このLIMITLESSにおいて「誤った思い込みをして自分の限界を決めている状態=固定マインドセット」こそが悪であり、成長マインドセットを持つことが重要だ、ということが描かれるわけです。
そして成長マインドセットは、冒頭に話した「ロンドンのタクシー運転手」などの研究やハイディ教授の研究を見れば「人は生まれつきの運命で決まるものじゃない」ということが見えてくる。
「自分の限界を自分で決め、生まれつきに運命は決まっている」と考えることをやめ、「成長することが出来ることを知る」ことが大切だと、このLIMITLESSで書かれることの重要な部分になっています。
モチベーション
次にモチベーションについてですが、このやる気を上げる方法に関しても3つのポイントが挙げられていて。
その3つというのが、
- 目的
- 燃料とメンテナンス
- 習慣
この3つに要約されています。
目的
まず1つ目の目的というのは、簡単に言えば僕ら人間は目的がなければ意欲がわかず、モチベーションにはつながらないとし、人生のおける目的を明確にすることが大切だと描かれます。
例えば、人生における目的が「家族と一緒に過ごす自由な時間」だった場合に、仕事にあくせくし、プライベートの時間まで技セにして働く、ということをしていたのなら、モチベーションが湧くはずもない。
それは「人生における目的」と「手段」が違ってくるため。
だからこそジムクウィック氏が言うのは「人生における目的=価値観」を明確にすることが大切だ、と主張します。
その他には「なぜ?」ということを自分に説いたざし、「なぜ仕事をしているのか?」「なぜ家族と一緒に過ごす時間が大切なのか」と深く思考することで「人生の目的」を明確にする一歩になると描かれます。
要するに「目的と手段とを一致させること」によってモチベーションは湧いてくると。
燃料とメンテナンス
続いて燃料とメンテナンスですが、これは言い換えればクルマは燃料がなければ走らず、良い状態を保てなければ走り続けられないように、人間においても「燃料」と「メンテナンス」が重要なモチベーションにつながる、ということを意味しています。
具体的にはモチベーションややる気に直結している器官は「脳」ですが、脳が働くには「栄養」が必須になり、それがクルマでいうところの「燃料」に当たる。
脳に栄養が行かなければ、燃料がないのと同じなので、走れないということが言えるわけですね。
具体的にはドーパミンというやる気成分が放出されるには、チロニンやフェニルアラニンなどの成分をもとにしてドーパミンを生成します。
こうしたチロニンやフェニルアラニンなどの栄養や燃料が足らないと、ガソリンがないクルマと同様に走れない車体となってしまう。
そうならないためにも「適切な食事」をとることが重要だとされ、「脳にとっていい食べ物」を取ることが大切だと説かれます。
もっと細かい食事のことに関しては、上記記事で詳しく解説していますが、簡潔に「脳にいい食事」をまとめておくと。
- 水
- ブロッコリー
- 緑の野菜
- 魚
- 卵
- ブルーベリー
こうした食事が脳にいいとされ、適切な燃料となって脳を働かせてくれます。
また「メンテナンス」についてですが、これは故障と不良とならないためにも
- 睡眠
- 食事
- 適度な運動
- キレイなデスク
- 人間関係
こうした脳にとって働きやすい環境を整えて上げることが重要だとされ、定期的なメンテナンスの必要性を訴えています。
習慣
そうして3つ目ですが、モチベーションに関して欠かせないのが「習慣」
習慣の最適化として本書のLIMITLESSで紹介されますが、いわゆるドーパミンやアドレナリンから生成されたやる気というのは、ある意味一過性のもの。
瞬発力はあるが、持続力がないこのデメリットを補うために「習慣」に落とし込み行動を「自動化」することが重要だと描かれます。
習慣に関してはこうした「習慣に特化した本」のほうが得られる部分も多いので、別分野を読んだ方がいいかと思いますが、主張としての「習慣の重要性」は同じように注目しているポイントになります。
メソッド
そして限界を突破するための最後ポイントのメソッド。
ここまで「マインドセット=思い込みによる限界を突破する方法」、「モチベーション=行動の限界を突破する方法」として解説してきました。
要するにこれまでは「考え方ややる気」ということに関して「土台」となる部分を解説していたわけですが、メソッドというのは「具体的な仕事への取り組み方」ということで、タスク処理に関しての話になっていきます。
そのうえで、ジムクウィック氏が伝えているメソッドにおいて限界を突破する方法として、
- 目の前の1つのことに集中する
- フロー状態を作る
この2つだと伝えています。
1つのことに集中する
1つのことに集中することに関して、対義語を取り言い換えると「マルチタスク」と言い換えられます。
このマルチタスクに関しての悪影響は数々の研究で証明されていて。
上記の記事で紹介したデューク大学などの研究などを参考にしてみると「生産性」はもとより、「幸福度」などの低下なども報告されています。
逆にシングルタスクをすることによって、生産性の向上や達成感、幸福度などが向上することが分かっていて、1つのことに集中して取り組むことが重要なことが分かっています。
フロー状態
1つのことに集中する=シングルタスクということをベースにしてタスクや仕事に取り掛かると同時に「フロー状態」を生み出すことによって限界を突破することにつながるとLIMITLESSでは描かていて。
フロー状態を作り出すために重要なポイントとして
- 注意散漫にならない環境を作る
- 時間を十分に確保する
- 好きなことに取り組む
- 目標を明確にする
- 少し高めのハードルを設定する
この5つがフロー状態に入るために重要なポイントとして描かれます。
注意が散漫になってしまっていては集中することが出来ないし、フロー状態に入るためには15~45分ほどある程度の時間を有するため時間確保が大切で。
好きなことでなければ続かず、目標があいまいだと何に今集中して取り組めばいいのか漠然としてしまう。
そして難なくこなせてしまう課題であれば飽きが生じてしまうため、高めのハードルを設定することが重要。
それぞれのポイントとして上記などの理由が挙げられ、これらの設定をうまくすることで上手にフロー状態に入ることが出来るようになるわけです。
そしてフロー状態に入ることが出来れば、自然と限界を突破することにつながる。
これがメソッドに対してのLIMITLESSを作る方法だということですね。
感想とレビュー:網羅的な内容で、往々にして満足感は高いが、、
ということで、この「LIMITLESS 超加速学習」という本の内容を、まだ読んでいない人のためにざっくりと要約していきました。
ここまでがかなり膨大な内容で少し長くなってしまったので、まとめておくと。
人は何歳になっても限界を突破することが可能である。
ポイントとしては3つあり、
- マインドセット
- モチベーション
- メソッド
それぞれのリミットを外す必要がある。
マインドセットにおいては「成長マインドセット」を身に着けること。
モチベーションに関しては、人生における目的を明確にし、その都度燃料を補給しながらメンテナンスをし、習慣に落とし込み持続性を担保する。
メソッドに関しては、原則1つのことに集中し、フロー状態に入ること。
これが大雑把ではありますが、LIMITLESSで描かれる全体像になります。
ここからこの本を読んだ感想とレビューをしてこうと思いますが、このブログでまとめた通り、かなり網羅的に描かれている内容になっている。
だから情報量が多く、読んでいるときに「これって何のための章なんだ?」と迷走することも多い。
だけど、それは裏を返すと「1冊で熟知できる内容」ととることもできるので、「限界を突破したい」という人にとってはかなりコスパの良い本だといえるわけです。
なので、初心者やこの手の知識が薄い人にとっては、バイブル的な良書になりえるなって思いました
「成り得る」と表現したのは、網羅的な内容、かつ実践的な本なので、「知識欲を満たす本」じゃなく、実践し行動してはじめて効果を発する本だということです。
つまり、この本の内容をそのままにしておくことも、取り組み限界を突破するきっかけにするのも、個人の自由だということ。
上手くこのLIMITLESSを活用すればかなり効果が得られると思うので、あえて「成り得る」と表現しました。
やらない行動しない人にとっては全くの無価値となる可能性も高く、それはこうした網羅的な本にありがちな宿命です。
なので、その点は十分に注意したほうがいいのかなと。
でもそれぐらい良書であることは間違いないです。
(表紙も黒で重厚感があるしね)
ただ、1点。
デメリットを上げるとするならば、網羅的に内容を解説しているので、「1つの分野」においては弱いというのがデメリット。
例えば、習慣に関してはそれ専用に取り扱っている本のほうが、当然理解は深まるし、「フロー状態」に関しては以前紹介した「4フォーカス」という本のほうがいいです。
この本ですね。
こっちのほうがより「集中力を継続させるフロー状態」に関しては細かく具体的なので、こうした専門的な分野には負けるのがデメリットかなと思います。
なので、このLIMITLESSはある程度の内容を知っている人には物足りない部分もあるかと思います。
(そういう意味で初学者向けだと思いますが、これは網羅的な内容を描くうえでは致し方のないことです。)
そのため、この本をうまく活用するためには、全体像を理解したうえで、もっと探求したい分野に関しては、その専門書を読む、ということでより理解を深めるために活用するのが、良いのかなと思います。
例えば、もっと「習慣術を知りたい」のであれば、習慣に関する本を読無だとか、そういった研究を知るだとか。
このブログでもこうした記事で習慣術も紹介していますが、調べれば調べるほど有益な情報は各分野によってあります。
また、マインドセットに関してやフロー状態、集中力、食事、睡眠などなど、各分野にはそれぞれ良書があるので、このLIMITLESSをきっかけに範囲を広げていくのが良いのかなと思います。
ただやはり振り返ると、それぞれの本を別々で学習するとなると、コストと時間がそれなりにかかるので、「網羅的に書いた本」というのはやはり価値があると思いますね。
ぜひ参考にしていただければと思います。
それでは。